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11月30日にサステナビリティ社から「The Changing Landscape of Liability(変わりゆく責任への展望)」が発表されました。

近年急激に変化しつつある社会の企業活動への期待、また、法律だけではなく、世界的世論が企業を罰するようになっている動向をまとめています。企業が世界的世論によって裁かれる場合、たとえばボイコットや批判からくるブランドや評判など企業イメージの低下、株価の低下、信頼、信憑性、グッドウィルの崩壊などを引き起こします。同社は、多くの世界的大企業や先進企業がこの新しい形の責任についての認識不足のため、大きなリスクを回避できずにいるとしています。

同調査では法的責任を「地域、国内、国際的法制度における責任」また、倫理的責任を「企業がステークホルダーの倫理的態度への期待を裏切り、企業価値が脅かされるような場合」と定義しています。

そして、さまざまな仮説から導き出された結論をもとに、企業責任を受け身の視点から積極的な視点へシフトすることや、ステークホルダー・エンゲージメントをリスクマネジメントの核にすることなど、7つの提案事項を掲げています。

特にスタディ4では、1984年に起こった化学工場史上最悪の事件と言われるボパール事件を検証しており、事件を起こしたユニオン・カーバイト社を2001年に買収したダウ・ケミカル社の対応を描写しています。

企業の果たさなければいけない責任範囲が急激に広がっており、どこまでが「企業責任」と呼べるものなのかという企業の疑問は尽きることがありません。それに対する一つの回答を示す同調査では、NGOが作成した文献を多数使用しています。NGOの文献を多く採用することで、より現実に即した形での調査が可能になっています。また、調査結果とともに提案事項も提示してあることから、より実用性に富むものになっています。

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The Changing Landscape of Liability
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ボパール事件について
1984年12月3日、米国系企業ユニオン・カーバイド社(UC)の農薬工場が大爆発を起こした。化学工場史上最悪の事件と言われるこの事件は、周辺住民へ多大な被害を引き起こした。死者25000人、中毒症患者5万人。爆発を起こした工場跡地には、大量の未処理の化学物質が放置されたままである一方、UCの最高経営責任者は逃亡中である。

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