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12月1日の世界エイズデーを経て、アメリカでは本格的な株主提案の時期を迎えています。30年の歴史を持つ株主行動グループICCRは世界的な4大製薬会社に対して、結核やマラリアなどと同様に、HIV/AIDSに付随するリスクの軽減に対する企業としての姿勢を問う準備をしています。
ICCRはこれまで、アフリカでのHIV/AIDS対策を中心として提案してきましたが、昨年からインド、中国までその対象範囲を拡大しています。当面の大きな課題としては、子供用のHIV/AIDS治療薬の問題があります。大人用のカクテル治療薬は子供の治療には適切ではなく、しかも、大人用の薬が一人当たり年間200ドル必要なのに対し、子供用は1300ドルも必要になります。

そこでICCRは、世界的な製薬会社、メルク、ファイザー、ブリストル・マイヤーズ・スクイブおよびアボット・ラボラトリーズに対し、より積極的な薬剤(特に子供用のカクテル治療薬)の提供と、グラクソ・スミスクラインが46のサプライヤーに製品製造を許可したように、製薬の安定供給ができる体制づくりを要求しようとしています。同時に、こういった社会的課題解決に水を差す米国の貿易政策(「製薬」会社の献金により支えられているともいわれている)に対抗するため、各製薬会社の政治献金額の開示やガバナンスのあり方についても要求を出そうとしています。

日本では、コーポレートガバナンス面での株主提案が少しずつ定着しつつありまあすが、まだまだ社会課題を解決するための提案にまでは至っていません。株式を所有することによって得る議決権の行使、そして株主提案・株主活動がもっと積極的に行われるべきではないでしょうか。

SocialFunds.com
ICCR Spends World AIDS Day Preparing Shareowner Resolutions for Upcoming Proxy Season


ICCR (Interfaith Center on Corporate Responsibility)
30年の歴史を持つ株主行動グループ。宗教信者、富裕層や宗教団体をベースとした国際連合組織。企業と武器開発の関わりや軍需産業に対するレポートを発表したり、核兵器製造の停止を要求したりしている。ユニークな試みとして、暴力的なゲームのワースト10を選定する活動のメンバーにもなっている。

暴力的なゲームワースト10について
Ten Most Violent Video Games Should Not be on Holiday Shopping Lists For Children Retailers and Industry Urged to Clean up Sales, Ratings
暴力的ゲームワースト10

株主提案の現状などについて
アメリカの年金基金によるSRIの歴史やそこでの議論をもとに、日本の状況との比較を試み、株主行動の今後の可能性について探っているサイト。
こちら(PDF)
アメリカ社会的責任投資フォーラム

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