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CSR推進論と批判論
以前取り上げたニュース(2004年10月18日号)で、CSR推進論と批判論について紹介しました。これは、企業は人権、社会貢献などを強調するべき時代に来ているのか、あるいは時代が変わっても企業活動自体が社会貢献であり、株主のために働く企業リーダーは雇い主の最大利益を追求しなければいけないのか(その代わりに私的財産で貢献するべきという主張)、についての論議です。企業リーダーが社会的責任を果たすために行っている活動は、実は他人のお金を勝手に使い、株主の利益を減らしていることになるのでしょうか。

ツナミ義援金に「待った」の声
この論争が顕著に表れたのが、今回のスマトラ沖大地震とインド洋津波への義援金に対する株主側の主張です。「企業が株主の資金をもとに義援金を支払う権利はない。」これは7日、オーストラリアの株主同盟が出した声明です。企業リーダーのチャリティ活動への為政権を全否定したこのコメントが論争を呼び、シンガポールに飛び火。議論が広がっています。

賛成者の声
一方、企業からの無償支援を歓迎する声として「特別の場合を除いては、株主は企業の決定を支援すべきである」「株主が慈善活動を否定することに落胆を覚える」「義援金支援は株主によって妨害されるべきではない」といった意見があります。

ガイドラインの活用
企業の無償資金援助に関して、ACCAは慈善活動の際、企業が独自のガイドラインを活用することを提案しています。企業がステークホルダーから求められている活動は何か、最適な戦略を探るためにも、調査や特定グループやステークホルダー委員会などを通して、さまざまなステークホルダーから積極的に意見を集めるためのガイドラインが重要となってきます。

社会・環境界と経済界の障害
今回の株主関与への主張の背景には、経済界が社会・環境的側面への投資にまだまだ積極的でない現状が挙げられます。この現状により発生している問題を指摘し、それに対しての克服方法が提示されたレポートが、世界経済フォーラム(World Economic Forum =WEF)とアカウンタビリティ社から13日に発行されています。年金基金受託者、取締役員、主要な資産運用企業のポートフォリオマネージャー、証券アナリストなどとの円卓会議を通した、2年ごしの調査です。導き出された結論は、「(社会・環境への投資が経済界へ普及するための)障害となっているのは、市場参加者の個人的な価値観ではなく、彼らが機能するための産業構造だ」ということです。推薦項目の中には非財務的パフォーマンスをビジネススクールでも重要視するというものもあります。
*詳しくはアカウンタビリティ社ホームページへどうぞ。(無料ダウンロード

全体動向と現実のギャップ
2004年の全体的なSRI動向としては、株主と企業の歩み寄りや投資関係者の社会・環境問題への理解が見られた(詳しくは上記ニュースを参照)と発表されたばかりにもかかわらず、オーストラリアやシンガポールでこういった大惨事への義援金援助へ待ったの声があがりました。世界的に足並みがそろうにはまだまだ時間がかかりそうです。

■ Socialfunds.com
World Economic Forum and AccountAbility Report on Mainstreaming Responsible Investment


ACCA(イギリス公認会計士勅許協会)について

世界経済フォーラムとアカウンタビリティ社のレポート
Mainstreaming Responsible Investment

ツナミ関連ニュース
Euractiv
Tsunami disaster raises questions about corporate responsibility
オックスファム・インターナショナル
Tsunami crisis
国境なき医師団
Pourquoi nous suspendons la collecte sur l'urgence en Asie (4 January 2005)
赤十字
ICRC operations in Asia and the Pacific

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