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[多国籍企業の社会活動]

「大人になったらなにがしたい?」という質問に、中国に住む13歳の女子生徒は、科学者、教師、芸術家。そして、もしそれらの夢がかなわなかったら、P&Gで働きたいと、P&Gホープスクール・プロジェクトのセレモニーで答えました。

少女の答えから、P&Gの中国での活動が明らかなブランド価値を持ち、それが少女の心に響いていることが読みとれます。この少女にかかわらず、貧困地域において世界的大企業から支援を受けている他の多くの子供にとっても、その支援元となる企業は大切な心の支えになっています。

多国籍企業は今、中国で社会活動を展開することで着実にブランド価値を向上させています。P&Gが1996年から携わっているホープスクール・プロジェクトでは、その寄付金のうち、2億元(241万米ドル=約2億4千万円)を寄付しています。そのお金は、中国国内にある100のホープスクールの維持費として使われ、提携する小売業者[*1]とともに、新たな学校建設も予定しています。

その他にもP&Gは、世界中の子供への支援を目的とし、企業のフィランソロフィー活動のためのグローバル・プラットフォームの創設や、China Youth Development Foundation(中国の若者の発展のためのファウンデーション)との協力活動、中国の災害救援や貧困緩和プロジェクトへ頻繁に寄付するなどの社会的活動を行っています。

中国で積極的に社会活動を展開している多国籍企業は、他にもマクドナルド、コカコーラ、モトローラ、シーメンスAG、アムウェイなどがあります。


[大規模な寄付活動の狙い]

多国籍企業の社会的な活動の目的は、ブランド価値向上だけでなく、メディアからの注目、地元政府との良好な関係などもあります。

多国籍企業は、社会的活動をこのように説明しています。「企業の発展は地元市場の社会的発展によってもたらされるため、企業の利益を社会に還元するのは当然のことだ」


多国籍企業の寄付は、特に貧困削減や環境保護、ヘルスケア、教育などといった社会福祉分野で多く行われており、寄付金総額は、中国国内で2003年で5億元(約6602億米ドル=602億円)にものぼるといいます。そのうちの3分の1が海外の多国籍企業からの寄付です。


[中国政府も寄付活動を支援]

こうした活動に対する法制度も整いつつあります。中国政府は、寄付元の企業の利益を守るための制度を整え始める一方、寄付活動の透明性や監査システムの強化、寄付者のプライバシー保護などにも力を入れています。


日本政府としても、長い期間、政府開発援助(ODA)などの国際協力活動を通して、中国の経済・社会の発展を支えてきました。しかし、中国が急成長したことで、援助活動から友好な協力関係への移行が模索されています。このようななか、多国籍企業が新たな援助アクターとして、中国国内での寄付活動に力をいれています。ニュースでは多側面における寄付の効果についての記述がありませんでしたが、今後、これらの寄付が中国の発展に本当に寄与するものなのか、その行く末が気になります。

■チャイナ・デイリー
Social Efforts of multinationals in China


[*1] P&Gが提携している小売業者
パートナーとして、CenturyMart社やCR Vanguard社、Suguo社といった具体的な社名が紹介されている

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