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ボストン・カレッジ企業市民センター (CCC: Center for Corporate Citizenship)[*1]が発行した報告書、2005 state of corporate citizenship in the US reportでは、企業は公的活動においては積極的で、広範囲な社会的分野への取り組みに参加しているが、多くの場合、実際の活動がそれに追いついていないと指摘されています。

[大多数の経営者が企業市民活動の重要性に賛同]

2年ごとに行われる同調査でインタビュー対象となった経営者のほとんどが、社会貢献活動(corporate sitizenship)を事業活動の中核として捉えています。また、81%が企業市民としての活動は、企業にとって優先されるべきものであるとしており、69%が、一般消費者は、企業が良い企業市民であることを求める権利があると語っています。しかし、社会貢献活動は法規制によって強制させるべきものではないという考えには80%が賛同しているようです。

CCC所長のステファン・ジョーダン氏は、企業としての責任ある行動は、ただ単に良いことをするためのものではなく、企業の長期的な成功を勝ち得るために重要だとしています。実際に、調査に協力した経営者の64%(大手企業では84%)が、社会貢献活動は明らかにプラスであると述べていることがわかりました。


[真の持続可能性を見据えて行動する]

しかし、同報告書では、少なくとも現状では企業は実際の行いよりも言葉のみのコミットメントに注力しているように見えるとも指摘しています。例えば、多くの経営者は、企業が環境や社会問題に関わることは重要だとしているにもかかわらず、サステナビリティ報告書では、環境・社会関連の報告を強調する企業は半数以下に留まっています。

サステナビリティ社の創設者、ジョン・エルキントン氏は、これに対し、企業が提示したコミットメントを実現するためにいかに動き、働きかけ、そして本当の意味での持続可能な発展に寄与するために投資するかが重要であるとしています。しかし、コミットメントの達成に関しては、明確な成果を期待するのではなく、複雑な組織内に緩やかに変化を生んでいくことが必要だと強調しています。


GEやウォルマートを筆頭に、2005年は、責任ある企業としての革新的なイニシアティブが多く生まれましたが、米国消費者に限って言えば、企業を見る目はまだまだ厳しいようです。2004年に米国の成人を対象に行われた調査によると、回答者の72%-66%が、企業犯罪はまかり通っており、経営者は環境を破壊することで利益を得ていると信じているという結果が得られたと同ニュースで伝えられています。このことからも、エルキントン氏のコメントにあるとおり、組織内部だけでなく、ステークホルダーへその変化を波及させるには、時間をかけて着実に前進する姿勢が望ましいといえます。

[*1]>> ボストン・カレッジ企業市民センター(CCC: Center for Corporate Citizenship)
米国を拠点とするシンクタンク。多国籍企業の社会貢献活動の定義付け・計画・実行を支援する。活動目的は、企業活動が及ぼす社会、経済、人的資源における影響力を企業利益に結びつけること同時に、持続的な世界の実現にも寄与すること。

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