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[日本企業4社が新しくリスト入り]

2006年01月25日から29日までスイスのダボスで開催されていた世界経済フォーラム(WEF)の年次総会最終日に 『Global 100 Most Sustainable Companies (世界の持続可能な企業トップ100)』が発表されました。

これは、米国のSRI調査会社 イノベスト(Innovest)とカナダのCSRマガジン出版社である コーポレート・ナイト(Corporate Nights)が2005年から発表しているランキングで、今年で2回目になります。

今年、新たにランキング入りした日本企業は、イオン、キヤノン、松下電器、日興コーディアルグループ。逆に、ランキングから外れた企業に日本企業はなく、海外では英国の大手スーパーであるセインズベリーのほか、ロイヤルダッチシェル、シーメンス、フォルクスワーゲンなどがあります。

しかし、そもそも「持続可能な企業」は、どのような数値ではかることができるのでしょうか。


[投資家や企業へ「気づき」を与えるランキング]

グローバル100のホームページでは、選考の方法や、企業の持続可能性の定義、数値的測定の方法や、より詳細な理論的根拠が示されているページも公開されています。

調査を行ったイノベスト社は、「持続可能性」の定義を巡る議論は、学者、企業、政府、国際機関など、さまざまな分野で長期にわたって行われてきていますが、グローバル100はこの議論の解決策を提示するものではないとしています。

しかし、一方で、経済パフォーマンスと環境、社会、ガバナンス(ESG)分野の関連性は年々強まっており、イノベスト社としては、企業がESG分野における優秀なマネジメント能力を示すことは長期的な競争力を保つために有効であるという認識をしています。

このような価値概念に基づいてグローバル100のランク付けが行われています。リストに挙がった企業は、事業活動の機会やリスクに影響を及ぼす可能性がある環境、社会、ガバナンス分野において効果的に管理しているという点で持続可能であると判断していると説明しています。

イノベスト社はまた、グローバル100は、完璧な企業を求めるための評価ではなく、持続可能性の分野において顕著な点を挙げ、その枠組みを定めることに着目するものだとしています。そうすることで、投資先としての妥当性について、投資家や企業に気づきを投げかけることができるのです。

[自然資本主義の権威の批判]

ある意味では世界に向けて問題提起をしたグローバル100ですが、自然資本主義の権威である ポール・ホーケン氏は、この試みを痛烈に批判しています。

ホーケン氏は、1990年代初頭にナチュラル・ステップなどの社会運動団体を通して米国に持続可能性の概念を広めた人物であり、また、『ナチュラル・キャピタリズム(自然資本主義)』の著者の一人でもあります。ホーケン氏は、グローバル100が初めて発表を行った2005年に、このランク付けを強く批判した記事を発表しています。

ホーケン氏は、グローバル100は「選考方法が不透明であり、定義されている持続可能性の基準も、持続可能性とは全く関連のないものである」とし、特に、2005年度のリストに挙がった、ABB社とブリストル・マイヤーズ・スクイッブ社は「非持続的な事業活動の事例があまりにも多くありすぎる」と批判したにもかかわらず、ABB社に関しては、再度ランクインしていることにも意見を投げかけています。

しかし、イノベスト社の方法論は学術界でも認められており、オランダのエラスムス大学では、この方法論をもとにした論文が出版され、2005年度のSRI分野における Moskowitz Prizeを受賞しています。また、今回紹介したSocialFunds.comの記事の最後には、「良い企業と、そうでない企業の線引きをしたとしても、真に十分な要件を満たしていないとして、誰かが批判をするものだ」というコメントを紹介しています。こういったオープンな形で積極的に地球や企業の持続性に関する議論が行われること自体が、より真の持続可能性に近い回答を導き出しすために重要であるといえます。日本国内でも持続可能な社会、持続可能な企業とは何かを積極的にオープンな形で話し合われることを期待しています。

■SocialFunds.com
How to Determine the Top 100 Sustainable Companies in the World

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