アジアの社会的責任投資(SRI)を推進する香港の組織、ASrIA (Association of Sustainble and Responsible Investment in Asia) が発表した報告書は、投資家がアジア企業へ投資する際に、環境・社会・企業統治 (ESG)分野への配慮を可能にするものです。アジア地域の企業をターゲットとする投資家にとって、またアジア企業にとっても重要な枠組みを提供しています。
ASrIAが今般発表した報告書、「Taking Stock」は、開発途上国の民間部門への投資を促進する世界銀行グループのひとつである国際金融公社(IFC)の支援によるもので、自動車産業をはじめ、銀行、金属・鉱山、石油・ガス・石油化学、電力、パルプ・紙・木材、サプライチェーン、そしてテクノロジーの8分野における新たな価値創造や分析リスクを強調することを目的としています。同報告書はまた、アジアへの持続可能性の分野への投資における主要テーマだけでなく、グローバル投資家のための近年の情報開示状況や投資機会についても触れています。
ASrIA所長のメリッサ・ブラウン氏によると、投資家は全体的に自らの投資行動が環境、社会、企業統治(ESG)分野に与える影響に敏感になっており、アジア地域への投資家も今後は、ESG分野への配慮が長期的企業価値を評価するうえでも重要となってきているとしています。一方で、今日のアジアを拠点とする企業にとっても、年々複雑化しつつあるESG分野の課題に直面し、そして対処が必要となっています。
先進国市場においてはESG分野への配慮は重視されつつありますが、今後はアジア市場においても注視すべき分野となりえます。そのため、投資家にとって「Taking Stock」は、各企業の取り組みを評価する基準について、ある一定の枠組みを提供するものといえます。
■ New Sector Report Helps Investors Assess Corporate Responsibility in Asia
(29 March 2006 GreenBiz.com)
■報告書 「Taking stock」 PDFダウンロードのページ
■国際金融公社(IFC)ホームページ
■New Analysis of Sustainability Risks and Opportunities in Developing Asian Markets
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