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2000年に世界のリーダーが終結して策定した、国連ミレニアム開発目標(MDGs)の進捗状況を報告する『ミレニアム開発目標報告書2006』が発表されました。各国政府だけでなく、グローバル企業も世界全体の持続可能な発展を視野に入れる流れが強まっており、MDGsもその指標の一つとして活用されつつあります。MDGsは、2015年までに世界の貧困人口の半減や、全ての子どもが初等教育を受けることや、資金援助の増額などといった高い目標を掲げているものですが、今回の報告書によると、その目標達成の兆しともいえる大きな前進が発展途上国で確認されています。

[数値でみる世界的貧困改善の兆し]

同報告書では、1990年からの発展途上国の変化を総括すると、いくつかの地域で飢餓人口の減少、初等教育を受ける子どもの増加、乳児死亡率の低下、女性の社会進出の増加、森林伐採の減少が見られたと報告しています。

例えば、1990年から2002年の間に発展途上国の1日1ドル以下で暮らす人々の割合が27.9%から19.4%に減少し、ガーナ、モザンビーク、タンザニアでは社会指標において急成長を遂げています。

アジアでは、より明らかな貧困改善が確認されています。例えば、1日に1ドル以下で暮らす人々の数が東アジアでは14%、東南アジアでは7.3%にそれぞれ減少し、全体で半数以上も減少しています。東南アジアでは絶対的貧困状態で生活する人口が39.4%から31.2%に減少しています。

さらに、慢性的飢餓状態で生活する人々の総数は2003年で8億2,400万人とされていますが、1990年から2003年の間に不規則ながらも減少が見られました。



[一部の地域では改善に遅れ]

発展途上国全体では貧困改善に大きな前進が見られましたが、一方で、サハラ以南のアフリカ地域に関しては、5才以下の子どもの死亡率が他の発展途上国に比べて2倍になっています。また、同地域の就学率に関しても、途上国全体が86%なのに対し、3分の2以下(約67%以下:2004年)を記録しており、大きく遅れをとっています。

また、新たに浮上しつつある課題として、新種の結核の事例が増えていることが挙げられています。これは、HIV/AIDS関連の被害者数を上回りつつあります。




[前進の理由]

このような躍進を後押したものは何だったのでしょうか。国連副総裁のマーク・マーロック・ブラウン氏は、「政府援助の増加と債務救済」であると説明しています。しかも、それには確固とした証拠があると述べています。援助額の増加については、先進各国が目標としているGNPの0.7%の支払い目標を達成している国として、デンマーク、ルクセンブルグ、オランダ、ノルウェー、スウェーデンの5カ国が挙げられています。


  【ミレニアム開発目標(MDGs)】

   ○ ゴール1:極度の貧困と飢餓の撲滅
   ○ ゴール2:初等教育の完全普及の達成
   ○ ゴール3:ジェンダー平等推進と女性の地位向上
   ○ ゴール4:乳幼児死亡率の削減
   ○ ゴール5:妊産婦の健康の改善
   ○ ゴール6:HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止
   ○ ゴール7:環境の持続可能性確保
   ○ ゴール8:開発のためのグローバルなパートナーシップの推進

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2015年まであと10年です。10年後、私たちは何をしているでしょうか、そして、この世界はどうなっているでしょうか。貧困問題は、多くの要因が絡んでおり、非常に複雑なものです。しかし、これが地球全体の持続可能性に関わる重要な課題であるという認識が広まりつつあるのが現状です。今回のように前向きな結果が公表され、認識されることで関連する多くの人々が力づけられ、さらなる前進へと結びつくことでしょう。


UN clings to signs of hope in development goals

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