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2006年12月のハーバード・ビジネス・レビューに記載された“Strategy and Society: The Link Between Competitive Advantage and Corporate Social Responsibility”[戦略と社会:競争優位とCSRのつながりについて]が2006年度マッキンゼー賞と決まりました。著者は、企業の戦略論の大家M.ポーターと、前作の“The Competitive Advantage of Corporate Philanthropy”邦題「競争優位のフィランソロピー:社会貢献コストは戦略的投資である」を共著したクラマー。
※詳細は5月10日発売の日本語ハーバード・ビジネス・レビューを参照

この論文では、CSR活動に関する議論を整理したのち「CSR活動をさらに発展させるために、企業と社会の関係の広い理解に基づいてCSRを根付かせ、同時にCSRを企業の戦略と行動に関連づけなければならない」とし、これを推し進めていく方法とその実例について記載されています。
企業の社会との関わり方を「包括的な社会的関心事」「バリューチェーンの社会的影響」そして「競争の文脈での社会的重要性」の3つの領域で分類し、優先順位を決めて行動することを企業に提唱。自らが提唱したバリューチェーン※1や競争優位に関するダイヤモンド・フレームワーク※2に当てはめて説明している部分は鮮やかな手際といえます。
そして、実践的な活動や競争の文脈での社会的重要において、シェアード・バリュー(社会とともに価値を分け合う方法)を発見する努力が、単に経済的に繁栄するだけではなく、企業と社会がお互いの捉え方を変えたり、社会的課題を解決したり、競争優位な利益を獲得できる可能性を持っている、と述べています。

M.フリードマン氏亡き後、ビジネス戦略の教祖M.ポーターが戦略的CSRについて発表し、それが時代を先取り続けているマッキンゼー賞を受賞したということは、グローバルなビジネス界での象徴的な動向といえそうです。事業を通じて世の中を少しでもいい方向に変えていこうとする、社会起業への世の中の関心の高まりに呼応するかのように、グローバルな企業がビジネス戦略にCSRを組み込むことを本格化しようとしています。この論文がその力強い後ろ盾となることでしょう。

※1 M.ポーター『競争優位の戦略』』(邦訳:ダイヤモンド社、1985年)の中で用いた概念であり、企業活動における価値連鎖を分析するフレームワーク
※2 M.ポーター『国の競争優位』(邦訳:ダイヤモンド社、1992年)の中で用いたダイヤモンド型のフレームワーク

SocialFunds: http://www.socialfunds.com/news/article.cgi/2268.html

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