環境パフォーマンスを投資に反映するための新たな指標の開発が近年活発になっています。6月は新たに2つ発表されました。一つはCO2排出量に特化したCDPのインデックスをもとにした『CDP-Markit Indices』、もう一つは、CO2のみならず水・エネルギー消費、地域投資などより広範囲な情報を含んだ『NASDAQ OMX CRD Global Sustainability 50 Index』です。どちらのデータもGRIのG2/G3ガイドラインを活用することが求められています。
世界のCO2排出量関連データの開示を促進する団体、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)と金融情報サービス会社のMarkitは、企業のCO2排出量削減のためのマネジメント戦略やそのパフォーマンス状況をあらわす投資指標を発表する計画であることを発表しました。新指標はCDPのカーボン・ディスクロージャー・リーダーシップ・インデックスをもとに作成されており、『CDP-Markit Indices』と命名されています。
また、6月15日、世界最大の新興企業(ベンチャー)向け株式市場ナスダックと調査会社CDRアナリティクスが新指標『NASDAQ OMX CRD Global Sustainability 50 Index』を発表しました。
このように、企業の社会・環境パフォーマンスを投資に反映するための新たな指標の開発は近年活発になっています。例えば、FTSE、ダウジョーンズ、HSBCの環境に特化した指標や、S&Pによる米国の温暖化ガスの効率性をはかる指標『US Carbon Efficient Index』など、枚挙に暇がありません。
実際、「サステナビリティ」という企業の長期的成長を視野に入れた投資が、どれだけ投資効果を生んでいるのでしょうか。HSBCが6月に発表したデータによると、世界全体の株式市場の今年の投資リターンが6.7%であるのに対し、同社の環境効率やエネルギー・マネジメント分野の投資リターンが16%で、通常の投資よりも2倍以上の成果を挙げていることが報告されているということです。
CDP, Markit and NASDAQ to Offer New Green Investment Indices
[関 智恵]