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大きなビジネスチャンスが期待できる新顧客層として、経済構造の底辺を占める人々(Base of the Pyramid、通称 BoP)が取り上げられるようになり暫くたちますが、中国のBoP人口を対象にしたビジネスのトレンドに着目したニュースをネクスト・ビリオンが紹介しています。

世界最大の人口、世界第3位の経済力を抱える中国におけるBoPビジネスのトレンドとはどのようなものでしょうか?

同ニュースで紹介されている今後のBoPビズ・トレンドはまさに、中国国内のシステムの課題を熟知・研究し、それらの課題に取り組むための活動(社会起業、ソーシャルアントレプレナー)となっています。



強まる経済力の一方で、中国は6億2700万の人口が2005年時点で1日2.5ドル以下の生活を営んでいる、という相反した現状もあります。貧困は特に農村地で厳しく、農村人口の70%、都市部では18%が貧困ライン以下の生活を営んでいます。

ニュースでは主に、中国における貧困緩和を進めるための中国特有といえるビジネス・トレンドが5つ紹介されていますが、ここでは1つを中心にご紹介いたします。



1. オンラインでマイクロクレジットを実現――Wokai.org: "Facebook for Farmers"



2006年、中国で正式な金融サービス(融資)を受けられない人口は農村人口の3分の2、4億8000万人にのぼりました。貧困地域での金融サービス(小口融資を主に扱う)マイクロクレジットはインドで進んでおり、取り扱い機関は1000機関にのぼりますが、中国ではNGOを主体に10団体が活動するのみです。

"I open"を意味するNGO、Wokai.org(www.Wokai.org)はオンライン上でマイクロファイナンス・プログラムを運営する団体で、中国の起業家を紹介し、各プロジェクト(事業)に関心があるドナーを募る、という活動をしています。類似の活動をする団体に、 Kiva.org(www. Kiva.org)があります。

例えばWokai.orgでは、四川省のXu Guiqiongは起業したばかりの事業で1万人民元(約134,000円)を必要としています。ウェブサイト上ではドナー候補の人々に彼らの資金がどのように現地にインパクトをもたらすのかを中心に説明されています。ドナー候補は、各事業を産業別に閲覧したり、プロフィールを読んだり、他のドナー情報も閲覧できます。

資金を調達できた起業家の活動はWokaiの代表者たちや現地のパートナー団体がモニタリングしています。2008年の立ち上げ以来、Wokaiは270の起業家精神に富んだ農家を支援し、140,000USドル(約1300万円)を調達しています。






これに類似した活動は欧米、アフリカでいくつか存在しており、CSRニュースでも以前いくつか取り上げました。なかには、「募金」という形にせず、「投資」という形態をとり、リターンを提供するものも出てきています。



「動き出す社会投資 (1)投資効果の高い社会的責任投資(SRI)のための手引書(ゼネラル・プレスCSRニュース、2007年12月31日)」




「動き出す社会投資 (2)イーベイ、貧困国の起業家支援のためのマイクロ・レンディング(小規模貸付)サイト設立(ゼネラル・プレスCSRニュース、2007年12月31日)」



「マイクロファイナンス、大手銀行の活動が確実に拡大(ゼネラル・プレスCSRニュース2006年04月17日)」



「マイクロファイナンスとCSR―企業、新たな市場へ参入―(ゼネラル・プレスCSRニュース、2005年11月21日)」



2~5は以下に簡単にご紹介します。


2. 中国の低所得層が気候変動の影響を最も受ける。

気候変動が農業に与えるリスクは大きく、記憶に新しいチベットでの天災を含めた複数の地域でその影響と思われる災害が多発している中国では、国内の二酸化炭素排出量削減は緊急課題だ、との認識のもとに派生する活動。


3. 「The hukou system( 家計登録 システム)」がもたらす課題緩和に取り組む活動。


4. 社会保障の欠如によりBoPラインやそれ以上の家庭でも収入を貯蓄にまわすため、貯蓄は増えるが、消費活動はBoPライン以下であることから、消費活動を制限している現状に取り組む活動。 


5. 新たな観光サイトの開発が貧困地域の成長につながる。

都市への人口移動が進む中、小さい地方都市での環境業も大きな収入源となることが期待されており、例えば甘粛省(Gansu)は世界銀行から観光事業での融資を受け、3840万USドル(約35億円)規模のサステナブル・ツーリズム・プロジェクトを計画しています。その他、シルクロード、万里の長城、古い寺院、大自然など見所がたくさんあり、期待されてます。 





BoP Opportunities in China
May 14, 2010
Next Billion






[関 智恵]


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