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フェアトレード、オーガニックなどの商品を積極的に購入している消費者は、今後は新しい商品ラベルに出会うようになるでしょう――『カーボン・フットプリント』という商品ラベルです。

【 カーボンラベルの台頭 】


10月13日にCentre for Retail Researchが発表した報告書によると、このカーボン・フットプリントは、年内にも英国で2番目に多く活用される、エシカル(倫理的な)・ラベルとなる見通しだと報告されています。

これによると、二酸化炭素(CO2)の排出を抑えた商品を示すラベル「Carbon Reduction Label(カーボン・リダクション・ラベル)」の年間売上高は年内までに20億ポンドに達するということです。カーボン・リダクション・ラベルはCarbon Trustが提供しているラベルです。同売上は農家の品質ラベルRed Tractorの売上(100億ポンド)には足りませんが、オーガニック・ラベルのSoil Association(15億ポンド)、フェアトレード(8億ポンド)、RSPCA Freedom Foods(8億ポンド)、そして類似ラベルといえる、レインフォレスト・アライアンスや、マリーン・スチュワードシップ・カウンシルが提供するラベルの売上を上回っています。


【 多様なカーボン・ラベル、可視化の効果 】


同ラベルは時には各商品の製造過程で発生したCO2の量も表示しており、消費者にとっては1回の商品購入でどの程度の目に見えない環境汚染をもたらしているのかを意識するのに大きく役立っています。これは商品ブランドや商品の種類により異なっており、各社・ブランドにより様々な方法で表示されています。

英スーパーマーケットチェーンのテスコは、同ラベルを最も積極的に支援している企業で、3年前に同取組みへの参加を表明し、全ての同社商品ライン(7万点)に掲載する取組みを進めています。同社は現時点では自社ブランド100点に同ラベルを表示しており、なかにはセミスキムド・ミルク(1パイント800グラムのCO2)、オレンジジュース(1リットル1.1キロ)、トイレットペーパー(1シート1.1グラム)などが含まれています。

一方、英最大手ポテトチップス・メーカーWalkers、Kingsmillもまた同ラベルを活用しています。例えば消費者は、全麦パン1片(800グラム)を生産するのにCO2を1.3キロを排出しており、これは、80グラムの小さいポテトチップス・パックより15倍も多くのCO2を排出していることが見てわかるようになっています。


【 すべてを対象商品にはできない企業の心理 】


しかし、このラベルは全ての商品を対象に実施されておらず、これは消費者自身が(商品購入を通じて)排出するCO2の量の多さに消費離れをするためでは、と同記事では推測しています。例えば、あるスーパーマーケットの関係者によると、肉は「天文学的に」多い数値のCO2を排出しているということです。日本の農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所が3年前に実施した調査結果では牛肉1キロでCO2を36キロを排出すると算出しています。

アルコール類も肉類と同様、排出量がかなり多く、コカコーラ缶(330ml)1本でCO2が170グラム排出されますが、エコボトル半量(500ml)で432グラムのCO2を排出します。しかし、商品の消費方法を変更するだけで多くのCO2を削減することも可能です。例えば、洗濯機の水温を40度から30度に変更するだけでCO2を160グラム軽減できます。

現時点ではこのような視点は興味深い(というレベル)ですが、2年前、英国下院環境監査委員会は政府に対し、国民1人が排出できるCO2の量を規定すべきだ、と提言するなど、CO2削減への取組みを消費者レベルに落とすべきだとの指摘があるなか、今後はさらに重要度が高まる可能性があるようです。


Carbon footprint labels: the latest aid for ethical shopping
13 October 2010
Independent






[関 智恵]



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