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欧州企業のCSRコミュニケーションの現状について、IE School of Communication(スペイン)、ケンブリッジ大学(英)、Fondazione Universita IULM(イタリア)が共同で調査を行いました。

同報告書の後半ではウェブ・デザインに関しても事例とともに掲載されているのでお勧めです。また、CSR担当者とのインタビュー結果も掲載してあり(後半部分)、同業の方々にはかなり参考になりそうです。欧州のCSR担当者の悩みは日本企業の悩みと若干似ているようです。

また、本調査では、「CSRコミュニケーション」と「CSR情報開示」を同義として使っていました。

(Source: CSR and the art of communication)



同調査の対象となったのは欧州企業トップ250社(売上高)、11産業で、欧州全域の企業を対象にしたこの種の調査は今回が初めてだということです。Justmeansが伝えています。 対象国はデンマーク、フランス、イタリア、スペイン、スイス、英国の6カ国です。

さらに、同調査ではCSRコミュニケーションがもたらすリスクおよび商機に関して、69名の専門家にインタビューを実施し、その結果も報告しています。

総じて、英国がCSRコミュニケーションでは開示情報が多いという理由で他の欧州企業と比べて、進んでいるということです。


【 第三者保証 】

保証に関しては、掲載した情報について第三者からの検証を受けたか否について報告していた企業は全体の39%でした。そのうち英国企業が最多(67%)で次いでフランス企業が多かった(52%)ということです。

【 CSR報告書:、統合版の出現、業界ごとに傾向分かれる 】

報告書の形態について、(アニュアルレポートとは)別媒体としてCSR報告書を発行している業界は、銀行、保険、公共事業の各業界に多く、両報告書を比較的統合させる動きにある業界には、繊維、小売、通信などがありました。

【 掲載コンテンツ 】

報告書のコンテンツで多くみられた項目は、環境や職場に関するもので、逆に、社会とのかかわり、倫理・ガバナンス、ステークホルダー・エンゲージメントは掲載が少なかったということです。

【 商品マーケティングとの絡み 】

一方、CSRと商品マーケティングとの関連性を持たせる企業も比較的少なかった、とも報告しています。特定の商品・サービスの売上に応じて企業側が一定の寄付を行うという内容の活動を実施している企業は11%、また、緊急援助支援を目的とした寄付を実施した活動を報告した企業は27%にとどまっています。

【 情報媒体、スペイン・イタリアではソーシャルメディアを活用 】

情報媒体(ウェブサイト・紙)については、全体の52%がウェブサイトでCSR戦略や活動を掲載しており、14%がソーシャルメディアを活用していました。ソーシャルメディアの活用が多く見られた国は、スペイン、イタリアでした。 ソーシャルメディアを活用する企業はインターンシップ・プログラム、 ブログ、企業付属の基金団体などの宣伝をかねて使う場合が多いようです。

【 欧州のCSR担当者の本音・・・ 】

さらにCSR担当者とのインタビューを通じて、欧州地域における各担当者のコメントもまとめられています。インタビューを通して各担当者は、自社自慢をしている(鼻にかけている)とみられるのでは、との恐れから、CSR情報の開示を通じたコミュニケーションの推進に躊躇している、という現状もわかってきました。

あるデンマークの担当者は、「CSR活動とは単に当社が掲げるミッション(バリュー)に沿った行いをすることだ。それを開示すること(コミュニケートすること)は少々難しいかもしれない。あまり鼻にかけたような表現はしたくないからだ」と述べています。また一方では、多くのステークホルダーからの要求を満たすことと、企業が発信するメッセージを明確にし、さらに一環させることの複雑さを説明した担当者も複数いたということです。

総じて欧州のCSR担当者は、CSR情報の開示は重要だが、開示する内容には現実の成果が伴っているべきだという点もまた同様に重要だ、との見解を示していました。また、これはおそらく(情報開示が不十分であったり広まりにくいという)リスクにもなるかもしれないが、もしCSRが企業の中核に根ざしているものであれば大きな影響を与えるものではないだろう、と報告しています。


同報告書の後半では、ウェブ・デザインに関しても事例とともに掲載されているのでお勧めです。また、前述のとおり、CSR担当者とのインタビュー結果も掲載してあり(後半部分)、同業の方々にはかなり参考になりそうです。欧州のCSR担当者の悩みは日本企業の悩みと若干似ているようです。

また、本調査では、「CSRコミュニケーション」と「CSR情報開示」を同義として使っていました。




●報告書
CSR communication: Exploring European cross-national differences and tendencies


CSR and the art of communication
Justmeans
December 10







[関 智恵]

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