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一年前まではサステナビリティ報告書に関する討論のほとんどは環境もしくは会計に関するイベントでしか開催されませんでした。

今年6月、シンガポール証券取引所がサステナビリティ報告書のガイドラインを発表したことで(本ニュースでもご紹介しました)、急にサステナビリティ報告書が多くの市場関係者、特に企業のIR部から注目を浴び始めました。


シンガポール証券取引所のIR責任者はこの状況について、「当取引所のガイドラインは『サステナビリティ』が明らかに重要な課題であり、上場企業がこれに取組み投資家に対して成果を開示することの必要性を、良いタイミングで周知させた」、とコメントしています。 サステナビリティ報告書の義務化への動きは強まってきており、同取引所のCEOもこれを支持しているということです。


【 必要不可欠となったサステナビリティ報告書 】

一連のサステナビリティ報告書に関する議論のなかで、法律で義務化されなくとも、サステナビリティ報告書の発行は着実に強固なIRを維持したいと考える企業にとっては必要不可欠となっている、ということが明らかにされています。

国際的な規制、地方自治体、国内外の投資家など、この原動力となる要素も、徐々に増えてきています。


【 新たな報告書のトピックス 】

投資家の中には、サステナビリティ報告書のみならず、企業独自に抱える経営課題に関してどのように対応するのか(開示するのか)について関心を寄せている投資家もいます。 企業の経営層は通常そのような課題を認識しているものの、どの程度情報を開示すべきかが不確かなのです。これを定めるガイドラインがあれば先行して開示に取り組む企業は多いでしょう。


【 投資家は「サステナビリティ報告書」をどの程度重視しているのでしょうか 】

さらに、現時点では、例えば投資家が情報開示を求めたものの企業が開示を拒否した場合、投資家は当該企業への投資を断念するだろうか、という疑問があります。

シンガポールのInvestor Relations Professionals AssociationのGEを務めるジョゼフ・チア氏はこのように指摘しています。

「サステナビリティ情報はあるといいが、バイサイドの投資判断に影響を与えるものではない。われわれは、『御社がサステナビリティ情報を開示していないため、当社は投資を行わない』と言うバイサイドの投資家がもっと多く現れることを期待している」。

さらにチア氏は、IR部でさえサステナビリティ報告書や統合版報告書が含む幅広い要素を完全には理解していない可能性もある、とも述べています。

最終的には、どのような「正しい」説明を投資家に行うかは、IR部次第なのです。「報告書もさておき、IR部のスタッフとの接触(教育)がこの点では本当に重要な意味を持つのです」と同氏は続けています。




Demand grows for sustainability reports
Inside Investor Relations
Dec. 7, 2011, 10






[関 智恵]

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