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国際連合人権理事会が「企業と人権に関する指針(Guiding Principles on Business and Human Rights)」を推進し始めて1年がたった今、多くの企業が同指針を自社の人権戦略に取り込んでいます。同原則の核は、

1)人権を守る政府の義務
2)人権を尊重する企業の責任

です。しかしまだ多くの企業担当者のなかで最善の方法が模索されている段階にあります。本記事では米NGO、BSRの企業アドバイザリー 部のポイトン氏が業務を通じて直面した各社の課題を参考に、好事例を紹介しながら、より良い「人権」に関する情報開示について、5つのポイントを説明しています。


1) 人権戦略を明確にする

報告書を人権に関する取組みをまとめるツールとして活用する。自社にとって核となる人権リスクや機会・チャンス、ビジョン、目的を明確にすること。さらに同戦略が事業全体、もしくは世界の現場レベルでいかに取組まれているかも明確に示すべき。

■好事例:HPの人権デューデリジェンスの取組み →こちら

2) 人権への取組みがもたらす「機会・チャンス」と「事業戦略」を結びつける

企業が持続的に人権問題に取組むことで生じる最も素晴らしい機会・チャンスは、自社のコア事業における競争力にそれを活用できるという点。両者の関連性を明確に提示すべき。

■好事例:グラクソ・スミスクライン(GSK)のコア事業「健康」とそれが与える人権に対する良好な影響 → こちら


3) ステークホルダーの視点を組み込む

ステークホルダーからのコメントを含んだ項目を加えることで、自社が重点課題にどのように取組むべきかに関するより深い議論を展開することができる。例えば、主要なNGO、人権専門家、工場労働者、地域社会に属す人々など。

■好事例:フォードのサステナビリティ報告書の「Voice」セクション → こちら

4) 課題を認識する

人権の専門家は完璧な企業はいないと理解している。課題を認識しそれを開示することで話し合いの基礎を築くことができる。

■好事例:GEのインドでの商品利用の間違いを紹介した報告書(企業が直面している課題を透明性を持って紹介している好例) → こちら


5) 定量的と定性的な情報のバランスの取れた報告書の作成

取組みの効果測定は重要だが、難しい。事例(ケーススタディ)や特定の課題に対象を絞った報告など、定量的な情報と定性的な情報の両方のバランスの取れた報告書により、読者は企業の社会環境に与える影響をより深く理解できるようになる。

■好事例:グーグルの透明性報告書 → こちら / H&Mのケーススタディ → こちら




5 tips for corporations on human rights reporting
July 06, 2012
GreenBiz.com

● 国際連合人権理事会について ウィキペディア

● 「企業と人権に関する指針(Guiding Principles on Business and Human Rights)」について こちら『New Guiding Principles on Business and Human Rights endorsed by the UN Human Rights Council』







[関 智恵]

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