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英国政府はロンドン証券取引所(LSE)に上場する企業を対象にした温室効果ガス関連情報の開示の義務化を決定。しかし、実際にパブリックオピニオンの募集で要請が多かった、「対象を全ての大手企業としてほしい」との声とは異なった政策内容となっており、議論を呼んでいます(パブリックオピニオンの募集結果は以下のリンクをご参照ください)。

集まったパブリックオピニオンでは、1,850名以上の回答者が、同法案の対象を「全ての企業」とする案に賛成していましたが、政府が採用した「上場企業を対象」とする案に賛成したのは17名だけでした。


また、多くの回答者が、対象を上場企業のみと制限することで未上場の大手企業が対象外となるのは公平ではない、と指摘。しかし政府のインパクト調査(Impact Assesment:IA)の結果、対象を全ての大手企業とした場合に要するコストは、報告書未発行の未上場企業による新規導入費を加味すると16億ポンド(GBP1.6bn)超となると結論付けています。

一方、上場企業の多くが既に環境情報に関連する報告書を発行していることから、上場企業のみを対象にした場合、2,800万ポンド(GBP28m)になると試算しています。その上で、「上場企業を対象にした場合の利益が大きいが、対象を広くした場合の利益は不確実だ」と結論付けています。そして、同政府広報担当者は後者を選択した場合の政府負担の大きさを加味して決断したと説明しています。

ただ、同広報担当者によると、政府は2015年時点の成果によっては長期的には今後(2016年以降)に対象を広げる可能性も検討しているということです。

同新法は2013年4月より施行される計画。今年の秋に再度、同法の詳細を決定するためにパブリックオピニオンが募集されます。同法を施行する担当部門は財務報関連規制を管轄している財務報告評議会(Financial Reporting Council)となる予定です。

Mandatory carbon reporting for all large firms still on the cards
22 Jun 2012


● イギリス政府による市民との話し合い結果をまとめた資料(2012年6月) Measuring and reporting of greenhouse gas emissions by UK companies Summary of Consultation Responses June 2012

● 財務報告評議会(Financial Reporting Council) ホームページ

● 英国でのCSR報告書義務化の関連記事 Coalition confirms introduction of mandatory carbon reporting







[関 智恵]

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