レポート事例集

新型コロナウイルスに対しての海外企業の情報開示状況【北米編】

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新型コロナウイルス感染症による被害は、日に日に深刻さを増してきています。このように経済活動、企業活動の持続可能性も危ぶまれる状況でありながら、さまざまな企業が新型コロナウイルスに対しての企業メッセージを大きく掲げ始めています。

それは自社における新型コロナウイルスの影響の場合もあれば、ステークホルダーに対してのサポートの提示や、注意喚起の場合もあります。

そこで今回は、サステナビリティの1つの評価軸として、RobecoSAMのSustainability Yearbookでゴールドに選ばれたグローバルな企業が、どのようにこの課題に対する情報開示を行っているかを、地域別でシリーズにして紹介していきます。第1回は、新型コロナウイルスの影響の大きい北米からです。

※なお、調査は2020年4月26日時点のもので、本テーマに関する情報開示は刻一刻と変化することが予想されるため、ひとつの参考としてご覧いただければと思います。

Cisco Systems(米国、通信機器)

  • コーポレートサイトのトップに、「The more we’re apart, the more we need to come together.」(私たちは、離れれば離れるほど集まる必要があります。)というメッセージを掲示。
  • 「COVID-19の課題の中でビジネス継続性をサポート」としてテクノロジーソリューションを提供していることを記載。「安全なリモート作業」「重要なビジネス」「健康管理」「安全な教育」といったテーマを自社のソリューションが支援できることを訴求。
  • また、ウェブ会議システム「Webex」の紹介など、リモートワークに役立つ情報を提供。
  • 新型コロナウイルスに関してのコミットメントも掲載。
Cisco Systemsのコーポレートサイト

Colgate-palmolive Co(米国、家庭用品)

  • 世界保健機関(WHO)#SafeHands Effortをサポート。Colgate-palmoliveがもともと人とペットの健康を向上させることを目的とした企業であるとした上で、これまで以上に、歯を磨く、手を洗う、皮膚の手入れをする、家を掃除する、入浴とシャワーをするといった日常生活を継続できるよう 献身的に支援する、としている。
  • 2,500万の石鹸の寄付、2000万ドルの健康および衛生品の寄付、医療従事者と中小企業のサポートなどを実施。
Colgate-palmoliveのコーポレートサイト

Owens Corning(米国、建設関連製品)

  • 「Covid-19のパンデミックへの対応」として以下のような取り組みを紹介。
  • 従業員に可能な限り自宅から仕事をするように指示。
  • 製造拠点で、堅牢な洗浄プロトコル、個人用保護具の使用、安全な社会的距離、および医療従事者や政府当局のガイダンスと一致する感染制御の強化を実装。
  • 自社製品が、病院、医療研究所、学校、軍用住宅、食料品店、薬局などを支援していること。支援を必要としている人々に重要なケアとリソースを積極的に提供し、低所得者層向けの集合住宅や低価格の住宅の、建設と修理を保護および維持。
Owens Corningのコーポレートサイト

Teck Resources Ltd(カナダ、鉱業)

  • 「TeckがCOVID-19にどのように対応しているかに関する情報」として活動をまとめて掲載。
  • 「4/16に2,000万ドルのコロナ対応基金を発足」「4/13に建設作業の一時中断」といった新型コロナウイルスに関するニュースをリアルタイムに更新。
  • 「拠点での予防策」としてTeckで実施している従業員保護のための施策を詳しく記載。
  • 従業員だけでなく、家族、そしてステークホルダーに対して、予防策に関する比較的詳細な情報を掲載し、啓発に取り組む。(例:石鹸と水で少なくとも20秒間、通常よりも頻繁に手を洗います。目、鼻、口に触れないでください。等)
  • COVID-19の症状についても紹介。
Teck Resourcesのコーポレートサイト

Abbott Laboratories(米国、ヘルスケア機器・用品)

  • 自社製品が直接的に新型コロナウイルスに対してアプローチができるため、写真などを使いながらプロセス等を詳細に説明。
  • COVID-19を検出するためのテストキット(IgG抗体テスト)等の研究・製造について紹介。
  • 5分ほどで調査ができるなどの具体的な製品・サービスのメリットの訴求。
Abbott Laboratories のコーポレートサイト


今回調査した企業は、ゴールドの評価を得るような規模が大きい企業が多く、リソースに余裕があることは予想されます。しかし、ほぼ全ての会社が、新型コロナウイルスに対しての情報開示を行っていました。また、コーポレートサイトで最も目立つ位置に導線を持ってきていました。

それほど北米では深刻かつ緊急の課題となっており、企業は自社の事業活動維持も困難な中であっても、タイムリーに情報を発信していることが分かりました。

では、北米や欧州ほどの大きな被害となっていないアジア圏の企業群についてどのような状況でしょうか。次回ご報告します。

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