レポート事例集

評価される統合報告書とは?!2020年の「WICIジャパン統合報告開示優良企業表彰」よりポイント紹介

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2020年12月、国内上場企業の優れた統合報告書を表彰する「第8回WICIジャパン統合報告優良企業賞」(WICIジャパン主催)の審査結果が公表され、表彰式が開催されました。

最も評価が高い「優秀企業賞(ゴールド・アウォード)」には、伊藤忠商事株式会社と日立製作所株式会社の2社が選ばれました。表彰式では審査員から2020年の受賞企業への講評がありました。

本報告ではゴールド・アウォードに選ばれた2社のレポートで、評価が高かった具体的なページと、その中でのポイントをご紹介します。
(なお、2020年度はWICIジャパンが一般社団法人となったことから表彰名称が変更されています)

■優秀企業賞(ゴールド・アウォード)の受賞基準

  1. 統合報告書としての完成度が極めて高い
  2. 他の企業の統合報告の模範となる
  3. 統合的思考で経営が実践され、中長期の価値創造力が各ステークホルダーとの関係でわかりやすく示されており、今後の企業価値を高めていくことに期待が持てる

本表彰制度の概要や、最新の受賞企業レポートはこちらをご覧ください↓
「WICIジャパン統合報告優良企業賞 」


伊藤忠商事株式会社「統合レポート2020」からの優良ポイント

P30-31 持続的な価値創造の原動力 「商人型」ビジネスモデル

本ページの講評 「三方よしの姿勢が貫かれており、欠けている要素がない。

■ポイント

  • 2020年4月に「三方よし」を企業理念として定め、ビジネスモデルの中心として位置付け
  • 経済的価値だけでなく社会的価値の拡大も目指すことを明記
  • 右ページでは、ビジネスモデルの解説として、「資本コストの低減を図ることで、資本が増強され、創出価値の拡大(短期目標)及び成長率の向上(中長期的な価値創造への布石)につながる」と説明


P62-63 持続可能な成長を支える取組み・体制
ロジック・ツリー及び非財務資本とマテリアリティとの関係性

本ページの講評「財務に軸を置きながら、ESG要素もSDGsとからめつつうまく開示している。

■ポイント

  • ロジックツリーを用いて、財務面とESG・SDGsの関連性を示している
  • 短期的な目標である「連結純利益4,000億円の達成」のための「重点施策」と「具体的施策」を明記
  • 中期経営計画の「具体的施策」と持続的な成長を支える「マテリアリティ」も紐付け、中期経営計画の実践がマテリアリティの実践につながることがわかる


株式会社日立製作所「統合報告書2020 」からの優良ポイント

P22-23 どう成長するのか 戦略と資源配分

本ページの講評「成長戦略に環境・社会的側面が織り込まれており、特に戦略と資源配分は模範になる。

■ポイント

  • 中期経営計画では「お客様の社会・環境・経済という3つの価値の向上を重視した経営をしていきます」と明記
  • 「社会価値」「環境価値」「経済価値」がどんなものなのかを箇条書きで具体的に説明
  • それらが右ページの「戦略の柱」の中で、何に取り組み、どのようなKPIで管理するのかを示している


P44-45 どう成長するのか ITセクターの価値創造ストーリー

本ページの講評 「事業が広範囲にわたるにもかかわらずわかりやすい。SDGsの透明性も高い。

■ポイント

  • 価値創造ストーリーを、ITセクターやエネルギーセクターといったセクター別に開示
  • SDGsについては、関連する「インパクト」を定量的に算出(このページでは、「インドにおける経済発展への貢献」として決済サービスの利用者数を示す)


今回は、各企業ともに2見開きずつポイントをご紹介しましたが、実際の統合報告書を見ていただくと、冊子全体の流れも含めご理解いただけるかと思います。


【参考サイト】
WICIシンポジウム2020(プログラム)
【関連記事】
WICIジャパン統合レポート・アウォード

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