レポート事例集

【 サステナブル・ブランド国際会議2022横浜 】 食とくらしの好循環へ、食から始めるリジェネレーション

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2022年2月24~25日、国内外で活躍するサステナビリティのリーダーが集うコミュニティ・イベント、第6回サステナブル・ブランド国際会議2022 横浜 が開催された。その中で YUIDEA は『食とくらしの好循環へ ~食から始める Regeneration』と題し、4名のパネリストを迎えてパネルディスカッションを行った。

すべての生活者にとって欠かせない「食とくらし」というテーマにおいて、サステナビリティを実践する、すなわち「つなげる、ひろがる・つづけられる」ために、どのような取り組みを行っているか。そしてそれは、何のため、誰のための実践なのか。4名それぞれの工夫や努力、想いを聞いた。

「食とくらし」におけるサステナビリティ志向

ハイブリッド開催となったセッションの冒頭で、オン・オフ両方の参加者に対し、簡単なアンケートを行った。
「食から始める Regeneration」というタイトルから食に関わる企業の参加者が多いなか、意外にも大学生・高校生Z世代と見える方々の参加が目立っており、「食とくらし」が生活者視点からも、サステナビリティ視点からも高い関心を集めるテーマであることが改めて感じられた。

サステナブルな取り組みに関する現状についての質問では、「これから取り組みを始めたい」よりも、「すでに実践しており、さらによくしていきたい」との割合の方が多く、SDGsやサステナビリティの意識だけでなく実践が浸透しつつある状況が伺える。

興味・関心のあるテーマとしては、やはりフードロス(食料の無駄を削減する)が約9割に上り、日本でも深刻な社会課題と認識されている状況と比例してなんとかしたいという気持ちを多くの人が持っているという傾向が読み取れた。この設問は複数回答可としており、地産地消・オーガニックと回答した割合も多かった。こちらも農業があらゆる角度で注目される傾向を反映していると言えるだろう。

また、資源の有効活用やアップサイクル、サプライチェーンなど、ビジネスにおけるサステナビリティを考える際に避けて通れないテーマについても関心が寄せられていることが分かった。

サステナビリティへの取り組みを「可視化」し、サポートする

・サステナブルなフードシステムを構築するために
「レストランにもサステナビリティという観点が必要だ」という観点から、2010年にイギリスで発足したサステイナブル・レストラン協会(SRA)。サステナブルなフードシステムの構築のための啓発プログラム「FOOD MADE GOOD」を日本国内でも展開するために、日本サステイナブル・レストラン協会が2020年7月に立ち上げられた。

・「調達」「社会」「環境」がサステナビリティの柱
日本サステイナブル・レストラン協会には、サステナビリティ推進の現状を可視化するための「レーティング」という仕組みがある。
「調達」「社会」「環境」を3つの柱として、サプライチェーンまたはフードシステム全体を包括する10項目の質問に答えることにより、レーティングのための評価を行える。これによってサステナビリティに関して、どの点がができていて、できていないのかを把握でき、よりレストラン運営の促進に活かせるというものだ。

(画像出典:日本サステイナブル・レストラン協会)

たとえば「調達」では、有機野菜(オーガニック)、地産地消、旬の食材の推奨。アニマルウェルフェアに配慮したベターミートの活用。水産資源への配慮。フェアトレードの推進を含む、世界の農家とサプライヤーへの支援などが指標に挙げられる。

「社会」では、レストラン従業員がハッピーに働けるか、レストランを取り巻く地域コミュニティと一緒に推進しているか、おいしさだけでなく健康に配慮した食の提供をしているか、が評価ポイントとなる。

「環境」では、再生可能エネルギーの有効活用、食品ロス(フードロス)、3Rの推進(廃プラスチックの削減)など、サステナビリティ全体でみても関心度・重要性の高いテーマが並ぶ。

どういったところでサステナビリティに取り組んだらいいか分からず手探りで進めているレストランが多いなか、これらの指標を活用して、各レストランが適切にサステナビリティを推進できるようサポートすることが、日本サステイナブル・レストラン協会の役割である、と代表理事の下田屋毅 氏は語る。

(画像出典:日本サステイナブル・レストラン協会)

・パートナーシップやアンバサダー活用で「FOOD MADE GOOD」の促進を
日本サステイナブル・レストラン協会の活動は包括的であり、多岐にわたる。


日本全国のレストラン、シェフと地道に関係性を築く。そのパートナーシップ連携を通じて、日本サステイナブル・レストラン協会がハブとなり、つながりをもち、地域においては地産地消、社会全体ではサーキュラーエコノミーの推進や食料自給率の向上へ貢献するための仕組みを構築していく。

また、先のレーティングから明らかになった「できていないところ」については、どうやって課題を解決するのかとの視点で、どんな項目で、何がボトルネックになるかを想定し、そこに焦点を絞り支援する。

生活者の意識を変えるために、アンバサダーを起用して伝えていく、というのは日本独自の取り組みとして行っているという。

ただし、サステナビリティの推進はレストランやシェフが単独で行っているだけでは実現しない。サステナブルなフードシステムが機能するためには、生活者が、サステナビリティに配慮したレストランを選ぶことが重要だと、下田屋氏は指摘する。

そのために、「 Creative Chefs Box 2030」や「FOOD MADE GOOD AWARDS」といったイベントをはじめ、それぞれのレストランの取り組みが生活者に伝わるような情報発信にも積極的だ。
生活者から選ばれるサステナブルなレストランを増やすことで、サプライヤーもサステナビリティへの意識が高まる。日本サステイナブル・レストラン協会は、オンデマンドなサポートを行いながら、サステナブルな食の好循環に大きく寄与している。

食におけるサステナビリティ&インクルージョン

ONODEAR GROUP グループエグゼクティブシェフ 杉浦仁志氏は「料理人はもっとさまざまな分野で人を幸せにすることができる」という信念に基づき、「ソーシャルフードガストロノミー」を提唱する。これは、食を通じて社会問題を解決し、食を通じて未来社会を豊かにすることを目的として、企業と連携しながら進めるインクルーシブな活動だ。

・フードロス食材を活用した洗練のヴィーガンメニュー
温暖化、環境問題の深刻化から、グローバルでは食のプラントベースやヴィーガンの考え方・取り入れ方が先進的なのに対し、日本はかなり遅れをとっているという印象だと、杉浦氏は話す。そこで彼は、日本サステイナブルレストラン協会と連携して新しいソリューションを考案したり、一方で日常の家庭内でできることもたくさんあるとの考えから、シェフという立場・役割で実にさまざまな活動を行っている。

・フードロス削減を実践する企業、レストランは実際のところどのくらいあるのか?
杉浦氏は2022年2月16日に、日本サステイナブル・レストラン協会、そして資生堂が運営するレストラン「FARO(ファロ)」と連携し、「FUTURE DINING TABLE 持続可能な食の未来」というイベントを開催した。フードロスの食材を使用し、100%ヴィーガンのメニューを、ひとり1万8000円という高価格で提供するものだ。

このメニューは、ひとり1万8000円という高価格にもかかわらず満席となった上、キャンセル待ちも出たほどの人気と話題を集めたという。プラントベース分野で後れをとっている日本ではあるが、サステナビリティやヴィーガンに対して非常に高い志と関心をもつ生活者層も現れはじめているともいえるだろう。

(画像出典:杉浦仁志シェフ提供 )

日本ではまだヴィーガン=カフェごはんというようなカジュアルなイメージが先行するかもしれないが、グローバルではヴィーガン食は非常に洗練された食の嗜好として認知が進んでいる。グローバルにおけるトップクラスのレストランでは、ペアリングと合わせて5万円という価格帯のヴィーガンメニューのコースも海外市場においては受け入れられているという。

他にも杉浦氏は、全国1,000カ所でヴィーガンを展開することを宣言、「1000VEGAN プロジェクト」を設立。1年間で1,018ヶ所、10万9,382品ものヴィーガン食の提供を達成した。

・環境問題だけでなく少子化対策も視野に入れたフードテック
フードテックは、山積する環境問題の解決に希望をもたらす分野として、社会全体から期待と注目を集める。

杉浦氏は、経済産業大臣が認定する第四次産業革命スキル(AI資格)を独学で習得。これを活かして農薬を使用しない土づくり 肥沃な土地の再生・開発を、立命館大学等と連携して研究を進めている。水耕栽培では、砂漠の土地で葉野菜を育てるプロジェクトを立ち上げ、毎日3,000株のレタスの栽培に成功。企業と連携し、販路まで開発して着手しているという。

また日本における少子化・人口減少は、働き手の確保という点でフードサービス事業でも大きな課題である。この解決として、ロボテックによる労働の最適化にも取り組む。

さらにサプライチェーンの課題に関しては、「トランスフォーマーロジスティクス」というイノベーションを考案した。一例を挙げると、愛媛県で市場に出るまでに廃棄されるみかんは何と1,000トンにものぼる。そこで、トラックそのものが工場のようになり、瞬間冷凍や商品加工まで行い、そのまま輸送も行えるという大がかりなシステムを開発し、産地に設置。サプライチェーンにおけるロスを削減するだけでなく、排出量削減にも貢献するという大胆かつ革新的な実証実験を行っている。

・食事療法や食育で、生活における社会的イシューの解決を
食は、言うまでもなく、人の健康ひいては命に多大な影響をおよぼす。
そこで杉浦氏は、新鮮な野菜を摂取することにより、薬に頼らずに免疫力を高め、身体のメンテナンスを行う食事療法も提案している。その内容としては、専門医と連携して、冷蔵庫にある3つの食材で認知症予防できるレシピを提供したり、子どものアレルギーに対する食育プログラムなどを作る。
コロナ禍による健康意識の高まりだけでなく、高齢化や子どものアレルギーが増えているという社会的背景に対しても、生活者のニーズに添う価値を生み出している。

(画像出典:杉浦仁志シェフ提供 )

さらに杉浦氏は「教育や仕組みが大事。そこに料理人がもっと入っていくべきだと考えている」と話す。いかに創造力、すなわちクリエイティブな力で、ふだんの食事を楽しくできるか。楽しい食事を健康と絡めて訴求することを目指して実践している。

情報発信の面では、「プラントベースってなに?」「野菜ってどうして体にいいの?」といった疑問を軸に、家庭で料理しやすいレシピ集を作り、小学生新聞に掲載している。教育の面では、立教大学をはじめ、国内の主要な食にまつわる専門学校へ杉浦氏みずから赴き、プラントベースや環境と食の関係について講義を行っている。

一事業、一企業ではなりたたないことを、パートナー連携から得られるサポートによって、社会に大きなインパクトを与えることができる、というのが杉浦氏の持論だ。 食料危機・環境問題に対して、テクノロジーやイノベーティブなアイデアを組み合わせたソリューションを考え、実践し、結果につなげる。杉浦氏はシェフでありながら、「食」のジャンルをも越境したサステナビリティのアクティビストとして、重要なロールモデルであると言えるだろう。

生産者が安心して持続的に生産ができる仕組みづくりを

オイシックス・ラ・大地株式会社は、生産者と直接の取引があることを強みとして、全国約4,000日本全国約46万世帯(2021年12月末)にサブスクリプションモデルで食材を届けている。発注を受けてから、生産者へ必要な量だけを伝えて需給管理を行うため、従来であればその間で発生しがちな食品ロスも防ぐことができる。

また、ダイレクトマーケティング事業の特色でもある生活者の「おいしい/おいしくない」といったダイレクトな声や、実際の売れ行きに表れる反応を、商品・サービス開発に活かしている。

代表的なサブスクリプション商品は、「キットオイシックス」というミールキットだ。食材とレシピがセットになっており、主菜と副菜の2品が20分で作れる。子育てと仕事の両立に忙しいファミリー世帯をターゲットに、忙しい中でも「子どもには安心でおいしい食事を食べさせたい」というニーズに訴求する。

食における複雑なサプライチェーンでは、分断が起きやすいことが深刻な課題である。今の生活者が求めている「取り入れやすい食生活」を把握しつつ、生産者や生活者から生まれる廃棄をどのようにアレンジしたら削減できるかを考え、分断が起きやすいところをつなげて、価値をつくっていくことに注力している。

・サステナブルなリテールモデルを確立
食材が生まれる畑、運ばれる物流、届いた食卓。オイシックス・ラ・大地は、すべてのサプライチェーンでフードロスの削減を目指す。ふぞろい野菜のブランド化や、規格外の野菜を生活者が「ほしい」と思うかたちに価値を昇華させて提供する。オンデマンド発注による需給コントロールや、使う量だけの野菜が入ったミールキットにより家庭でのフードロスの削減がその一例だ。

さらに具体的には、豊作によって生じてしまったキャベツを餃子のミールキットにして提供したり、漁獲量が少ない・魚種が珍しいなどの理由で市場に流通されない「未利用魚(みりようぎょ)」もサブスクリプションで届けるサービスも2021年10月から開始している。

また、コロナ禍によって急増した食品廃棄の課題に対応するために、牛乳販売支援、外食業、また酒米をリゾットとして販売するなど、その時々の状況に応じた活動を展開する。

・食のアップサイクル
オイシックス・ラ・大地は、2021年7月からUpcycle(アップサイクル)事業にも取り組んでいる。従来の方法ではおいしく食べられない非可食部や副産物、製造工程でゴミとなってしまう部分を、加工やアイデアの力で美味しい商品に生まれ変わらせる。

( 画像出典:オイシックス・ラ・大地株式会社 Upcycle by Oisix ホームページ )

加工時に廃棄されるなすのヘタ、未活用だったブロッコリーの茎、漬物工場から出る大根の皮を新感覚のチップス。有機バナナの皮を活用したジャム。梅酒を漬ける時に使われた梅を活用したドライフルーツ。これまで15商品を開発し、テストマーケティングとして保育園などでの試食会も実施した。

( 画像出典:オイシックス・ラ・大地株式会社 プレスリリース )

小さな子どもでも抵抗なく食べられるおいしい加工が施されているだけでなく、本来の可食部ではない部分に色付けをして「ここも食べられる」驚きを印象づけるパッケージデザインも秀逸だ。野菜の食べ方にさまざまな可能性があることは、こういった商品を通じて、食育として出前授業を行っていく構想もあると言う。 2024年には年間約500トン、20億円超のマーケットを目指し、フードロスを削減にむけて加速する。

( 画像出典:オイシックス・ラ・大地株式会社 )

・パートナー連携により、フードロス削減のさらなる強化を
Upcycle by Oisix ブランドマネージャー三輪氏は、「取引があるところ以外で生まれてしまう食品ロス、廃棄についてはブラックボックス化されてしまう」という問題点も指摘。
その現状に対して、各社協力のもと「今こんなロスが発生しているから誰かレスキューしてほしい」ということを発信し、共有しあえれば、横のつながりのコミュニケーションで救える野菜が増えていくのでは、と提唱する。その余剰食材を、おいしく食べられるようにアレンジして生活者へ届けられたら、生活者が身近なところでサステナビティを実践する機会を提供することにもつながる。

ブラックボックス化しているところを、レストランやメディアとも連携しながらプラットフォームを広げていき、フードロスを削減したり、生活者の意識を少しでも変えられるきっかけを作っていきたい、と三輪氏は展望を語った。

食のメディアの役割とは

『料理通信』は 2006年に月刊誌として創刊、021年からはWEBメディアへ一本化した。創刊から変わらないのは「食材の作り手(生産者)、使い手(シェフ)、食べ手(生活者)」を結ぶというミッションだ。

生産者がすぐれた食材を作ってくれるから、シェフは腕をふるうことができ、それを食べた生活者が「また食べたい」とニーズが生まれることで、生産者はまた食材を作りつづけられる。この三者をうまく循環させるために必要な情報やストーリーを届けることが本メディアの役割と捉えている。

・生産者のリアルな声から見えてきたこと
コロナ禍で飲食店の活動が制限されるなか、この循環が分断された。
飲食店と同様に大きなダメージを被った生産者に取材を重ねるなか、食のリジェネレーションを考える上でヒントなる言葉がたくさん聞かれたと、編集長の曽根氏は明かした。

「コロナはきっかけ」
「地域で循環する小さな経済」
「長いスパンで考える」
「農業をアート・文化活動と捉える」
共通して聞かれたのは、このような視点だ。

コロナ禍によって分断が起きた。しかしその一方で、三者を近づけるきっかけにもなった。たとえばスーパーから食材が消えたことによって市民農園への問い合わせが急増。時短営業を余儀なくなされた飲食店は、働き方を見直した。生産者は、生鮮食品の加工に力を入れるようになった。このように互いの距離が近づいてきている。

・役割を限定しない
愛媛で「無茶々園」を営む大津清次さんの言葉を紹介する。

「いつ我が身に困難が降りかかってもおかしくない、そんな時代に必要なのは、よろずや的な発想ではないでしょうか。
人任せではなく自分の手で暮らしを守っていくという意識を持つこと。
生活圏の中で自給できる仕組みや、支え合える関係性を日頃から整えておくのです」

(画像出典:料理通信株式会社)

この言葉に表されるように、これからは役割を限定せず、誰もが食材の作り手・使い手・食べ手であるという意識が大切になるのではないか。生活者も、自炊というかたちで料理をしたり、市民農園で生産者の側に立つこともある。地方への移住により、身近に「農」のあるくらしを実践するというパターンもあるだろう。 これまで人任せにしていたことを自分でやってみることで、新しい回路が開けてくることがある。

しかし、実際に行動変容を起こすには、仕組みが必要だ。生産者、シェフ、生活者の循環のなかに、さらに「企業」が入ることによって、リジェネラティブな社会へともっと加速していけるのではないか、と曽根氏は示唆する。 「サステナビリティが大切なのは分かるけれど、自分に何ができるのか分からない」という生活者の声は、まだまだ多い。サステナブルな選択しやすい環境を企業がつくることで、行動に移しやすくなる。 曽根氏のこの指摘は、まさに「ビジネスに携わるひとりひとりも、社会のなかでは生活者として、意識変容と行動を積み重ねることがサステナブルな社会の実現へとつながる」というサステナブル・ブランディングの概念と重なる。

まだ世の中に届いていない個人の声に耳をかたむけて、発信をする。人にも、地球にも、よりより食べ方を探求し、それを発信する。それこそがメディアの強みであり、ミッションでもある。

現場で働いている人たちの意識の変化や価値観を言語化し、最前線の動きを伝えることを通じて、企業も生活者もこれから進むべき方向や未来の兆しに気づくことができるだろう。

なぜ私たちがサステナブル・ブランディングに取り組むか

株式会社YUIDEAは、企業や団体のマーケティングコミュニケーションを支援している。そのなかでも、とりわけ「サステナビリティ」は欠かすことのできない重要テーマだ。

YUIDEA、すなわち私たちサステナブル・ブランド・ジャーニー編集部が考える「サステナブル・ブランディング」とは何か。それは、生活者がサステナビリティを実践し、そのアクション自体がブランディングとなり、ブランド認知や価値が向上するということだ。

言うまでもなく、マーケティングや経営などビジネスパーソンたちも、社会のなかではひとりひとりの「生活者」である。サステナブルな価値創造は、小さな行動が集まることで生み出され続ける。だからこそ、企業や団体のサステナブルな活動が、生活者にしっかりと伝わるようなコミュニケーション設計や、身近なところから実行可能なアクティベーションプランが必要なのだ。

「どんなことが生活者から求められているか」や「どんなふうに生活者が変わっていけば、社会がよりサステナブルになるか」は、今や企業にとっても生活者にとっても重要な関心事になりつつある。

生活者が、自分たちが変わることで社会が変わるのだと、コミュニケーションの中で実感できる事例をどうやって作っていくか。企業や政府・団体ということを問わず、社会課題の解決にむかって動けるか。コミュニティという視点で、ともに生き、ともに学んでいくことを、いかに活動のなかに組み込み、伝えていけるか。

これらの視点を掛け合わせて、ビジネスと両立させるコミュニケーション設計をし「価値創造」というゴールを目指すことが、私たちのサステナブル・ブランド・ジャーニーだと考えている。

(サステナブルブランド国際会議2022横浜にて撮影 / 右端から曽根氏、三輪氏、杉浦氏、下田屋氏、内藤)

パネリストプロフィール

・下田屋毅 氏

一般社団法人 日本サステイナブル・レストラン協会代表理事

日本と欧州とのCSR/サステナビリティの懸け橋となるべくSustainavision Ltd.を2010年英国に設立。英国ロンドンに拠点を置き、日本企業に対して欧州におけるCSR/サステナビリティに関するリサーチ、研修を実施。2012年より「英国CMI認定サステナビリティ(CSR)プラクティショナー資格講習」を日本にて定期開催。
2018年 一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会を日本にて設立、英国Sustainable Restaurant Associationとの連携によりフードシステムを持続可能にするための活動を日本にて開始し活動を広げている。
英国イースト・アングリア大学環境科学修士、英国ランカスター大学MBA修了。執筆講演多数。


・杉浦仁志 氏

ONODERA GROUP グループ エグゼクティブシェフ

2009 年に渡米し全米で約50店舗を展開する。
パティナ・レストラン・グループの創業者、ジョアキム・ スプ リチャル氏に師事。 LAやNYのミシュラン星つきレストランで 感性を磨き技術を習得する。
アメリカ滞在時にはエミー賞の授賞式・ニューヨーク・ティファニーイベントでの料理に従事し、著名なゲストをもてなす。
2014年と 2015 年には、ニューヨークの日本大使館公邸で開催された国連日本政府代表によるレセプションイベントにて日本代表シェフを務める。

  • 2017 年、野菜のみを使用した料理の世界大会“The Vegetarian Chance”
    (イタリア・ミラノ)でトップ 8 シェフを受賞。
  • 2018 年 “ザ・ベスト・オブ・シェフ 50”〈食を創造する個性が輝くシェフ〉受賞。
  • 2019 年 “Vegetarian Award 2019”で Best Chef Award を受賞。
  • 2021 年 英国代表スポーツチームのベジタリアン・ヴィーガンメニュー監修


・三輪千晴 氏

オイシックス・ラ・大地株式会社 経営企画本部 新規事業開発準備室 Upcycle by Oisix ブランドマネージャー

京都大学大学院 地球環境学舎修了。ブランドコンサルティング会社を経て、オイシックス・ラ・大地に入社。
食品EC事業の価格戦略策定や販売促進に従事したのち、2021年7月に廃棄食材を新しい食品へと生まれ変わらせ、地球と身体にやさしい新しい食の楽しみ方を広げていくUpcycle by Oisixブランドを立ち上げ、オイシックス・ラ・大地のサステナブルリテール戦略を推進している。
アップサイクルの概念を食の世界にも取り入れ、誰もが気軽にフードロス削減や持続可能な地球環境づくりに貢献できる社会を目指す。


・曽根清子 氏

株式会社 料理通信社 編集長

国際基督教大学教養学部卒業。経営コンサルティング会社を経て、食の専門誌『料理王国』編集部に入社。
2006年仲間と共に独立し、「作り手(生産者)」「使い手(料理人)」「食べ手(生活者)」を結ぶ、をミッションに月刊誌『料理通信』を創刊。国内外の料理人やワインの造り手、食材生産者や目利きなど、食の世界の様々なプレーヤーの取材を重ねる。2017年7月より編集長。2021年1月雑誌を休刊。食を切り口に「こんな社会、未来になってほしい」へ向けて行動する人たちと共に、これからの時代の「より良い食べ方」を探求するWebメディアとして活動を続ける。

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