レポート事例集

統合報告書におけるROICツリー掲載事例

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企業の価値創造ストーリーを伝えるツールである統合報告書にROICを掲載する事例が見られるようになりました。ROICとは、「Return On Invested Capital」の略称で「投下資本利益率」のことで、企業やグループ全体だけでなく、「事業ごとに、どれだけの資本を投下して、どれだけ利益をあげたのか」を示すことができます。

価値協創ガイドラインの「4.4.1事業売却・撤退戦略を含む事業ポートフォリオマネジメント」には「長期的な投資を行う上で、戦略が着実に実行されることに加え、事業の売却も含むM&Aや事業からの撤退戦略も含む事業ポートフォリオマネジメントの考え方が示されることは重要である。」とあります。
このような投資家のニーズに対応するために、ROICを活用する企業があります。
今回は統合報告書にROICツリーを掲載している事例をご紹介します。

掲載事例
オムロン「統合レポート2021」

複数の事業を展開しているオムロンにとって、ROICは「各事業を公平に評価するための最適な指標」となっており、CFOを責任者とする「ROIC経営」を実践しています。
ROIC経営は「ROIC逆ツリー展開」と「ポートフォリオマネジメント」から構成されています。


「ROIC逆ツリー展開」では、ROICの要素を分解し部門のKPIレベルにまで掘り下げています。 こうすることで担当者の目標とROICの関連性が明らかになり、各自が目標達成に取り組むことがROICの向上につながっていくということが腑に落ちるため、自分事として捉えることができるようになっています。


また「ポートフォリオマネジメント」では、約60のユニットに事業を分解し、各事業の経済価値を評価する指標としてROICを活用しています。

【参考】オムロン株式会社

日立製作所「統合報告書2021」

日立製作所は「事業に投資した資金に対して、どれだけの利益を生み出せたのか」を示すために2019年にROICを導入しました。2022年度末に10%を超えることを目標としています。


「ROICツリー」を使って、ROICの向上につながるドライバーを「収益性の向上」と「資産効率性の向上」の2つに分類し、それぞれのドライバーにはどのようなアクションが貢献するのかを示しています。

【参考】株式会社日立製作所

ROICを統合報告書に掲載する意図は、「企業がなぜその事業に投資しているのか」をわかりやすく伝えることですが、部門の目標との関連性を示すことで経営目標と各自の活動のつながりをわかりやすく伝えるツールともなっているようです。

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