CSRコミュニケーションQ&A

CSR全般

Future-Fit(フューチャーフィット)メソドロジー・ガイドとは何ですか?

csr-45432

「Future-Fitな社会」とは「企業が地球環境と社会に負荷を与えず、回復するような影響を及ぼしている社会 」と定義しています。

そしてFuture-Fitメソドロジー・ガイドとは、企業がその社会に適した存在になるためのKPIを示したガイドラインです。英国に拠点を置くFuture-Fit財団がツールの開発・普及を進めています。


Future-Fitメソドロジー・ガイド発行の目的

csr-45432

過去や現在のベストプラクティスや同業他社との比較で目標設定をしていては、自社の取り組みがFuture-Fitな社会に向かっているか判断できません
そこで企業向けにサステナビリティとは何かといった理解の促進から、目標設定、アクションの創出、サステナビリティのレポーティングまで、幅広く活用できるガイドが作成されました。

このFuture-Fitメソドロジー・ガイドは、SDGsに関する企業の行動指針をまとめた「SDGコンパス」の中でも、事業目標の設定に対するアウトサイド・イン・アプローチを推進・支援するツールとして紹介されています。SDGコンパスは自社のアクションに組み込むのが難しいと感じている企業に適しています。

SDGコンパス ステップ3:目標を設定する アウトサイド・イン・アプローチ


Future-Fitメソドロジー・ガイドの内容

本メソドロジー・ガイドは企業がFuture-Fitな社会に向かうために、以下の要素で構成されています。
 1、Future-Fitな社会の8つの特性
 2、そこに至るためにすべての企業が到達しなければならない23の損益分岐ゴール
 3、ゴール達成に向けた24のポジティブな取り組み
各要素は8つのFuture-fitな社会の特性に結びつけられており、下表のように整理できます。

Future-Fitな社会の特性 損益分岐ゴール ポジティブな取り組み
1、エネルギーは再生可能で、全ての人が利用できる BE01エネルギーが再生可能資源に由来している PP01他者が再生不可能なエネルギーに依存するのをやめる
PP02エネルギーを利用できる人が増える
2、水は責任をもって取水され、全ての人が利用できる BE02環境に責任を持ち、社会的に公正な方法で水を利用する PP03他者が水ストレスに加担するのをやめる
PP04きれいな水を利用できる人が増える
3、天然資源はきちんと管理され、コミュニティ、動物、生態系を守る BE03生態系、人、動物のウェルフェアが尊重されるように天然資源を管理している PP05他者が管理のずさんな天然資源に依存するのをやめる
4、環境が汚染されることはない BE05事業活動による排出物が人や環境に害を与えない
BE06事業活動が温室効果ガスを排出しない
BE18製品が温室効果ガスを排出しない
BE17製品が人や環境に害を与えない
PP06他者の輩出する温室効果ガスが減る
PP07温室効果ガスが大気中から取り除かれる
PP08他者の排出する有害物質が減る
PP09有害排出物が環境から取り除かれる
5、廃棄物は存在しない BE07事業活動による廃棄物が根絶されている
BE19製品を別用途に再利用できる
PP10他者のつくりだす廃棄物が減る
PP11廃棄物が回収され、別用途に再利用されるようになる
6、人類という物理的存在は生態系とコミュニティの健全性を守る BE08事業活動が生態系やコミュニティを侵害しない PP12他者による生態系の破壊が減る
PP13生態系が回復する
PP14他者による社会的/文化的価値のあるエリアの劣化が抑えられる
PP15社会的/文化的価値のあるエリアが回復する
7、人々は充実した人生を送る力と機会がある BE09コミュニティの健全性を守る
BE10働く人々の健康を守る
BE11働く人々に最低限の生活賃金を支給する
BE12働く人々の労働条件が構成である
BE13働く人々が差別されていない
BE14働く人々の懸念が積極的に受け付けられ、公平に判断され、透明性のある形で対処されている
BE15製品のプロモーションは正直であり、臨機的であり、責任ある使用を促進している
BE16製品の懸念が積極的に受け付けられ、公平に判断され、透明性のある形で対処されている
PP16より多くの人々が健康で、心身に害を受け付けない
PP17人々の能力が向上する
PP18経済的なチャンスをつかめる人が増える
PP19個人の自由が保証されている人が増える
PP20社会の結束が強まる
8、社会規範、グローバル・ガバナンス、経済成長はFuture-Fitnessの追求を促進する BE04調達はFuture-Fitnessの追求を守る
BE20ビジネスが倫理的に遂行されている
BE21正しいときに、正しい場所へ、正しい税金を納めている
BE22ロビー活動や企業の影響力はFuture-Fitnessの追求を守る
BE23金融資産はFuture-Fitnessの追求を守る
PP21Future-Fitnessの追求においてインフラが強化される
PP22Future-Fitnessの追求においてガバナンスが強化される
PP23Future-Fitnessの追求において市場のメカニズムが強化される
PP24社会規範が次第にFuture-Fitnessの追求をささえるようになる

注:損益分岐ゴールのナンバリングが前後しているのは、策定された順序によるものです。


Future-Fitメソドロジー・ガイドの特徴

本メソドロジー・ガイドの内容には以下のような特徴があります。
・「価値」とは、財務上の利益(=経済価値)だけでなく社会や環境的価値を含みます 。そのため、「損益分岐ゴール」も経済価値だけでなく社会や環境的価値を含む損益分岐ゴールとなっています

Future-Fitメソドロジー・ガイド P12

システム全体でのインパクトを考慮すること。例えば、「温室効果ガスを出さないようになったけれども、生態系を破壊する」ようなビジネスモデルの変化は受け入れられません。


Future-fitな社会に向けて

Future-fit財団では、メソドロジー・ガイドを中心として、下記のようなガイドも用意されています。

■Positive Pursuit Guide:Future-Fitnessへの移行を加速させるために「ポジティブな取り組みのためのガイド」
■Action Guide:損益分岐ゴールに向かうために、ビジネスの運営・調達・製品等を変える方法についての具体的なガイダンスで、23のゴールについて1冊ずつ作成されている「アクション・ガイド」
■Implementation Guide:メソドロジー・ガイドやアクション・ガイドの進捗状況を評価・報告・保証する方法を示した「実装ガイド」

特に「実装ガイド」では、従業員の定義や、影響範囲の捉え方など、企業がガイドを活用する際に直面しそうな課題への対策が具体的に説明されています。 企業には、これらのガイドを活用してFuture-Fitな社会に向かうことが期待されます。


【参考リンク】

【関連記事】

イメージ

Q&Aページ内を検索する

全記事一覧

質問を投稿する


このページの先頭へ