CSR経営
投資家が求めるESG情報の「機会とリスク」は、「攻めのCSR」「守りのCSR」とはどう違うのでしょうか。――(1)投資家が知りたいESG情報とは?
「守りのCSR」は、企業の社会的責任として取り組まなければならない基本的活動、企業が存続していくために必要な活動などであり、「攻めのCSR」は、企業が本業を通じて社会・環境に貢献する活動や、社会・環境課題を解決しつつ売上・利益に結び付く社会性事業などといわれています。
一方、投資家が求めるESG情報における「機会とリスク」とは、社会・環境問題の解決に取り組むことで新たに市場を創造したり事業を成長させるチャンス(機会)につながる活動、あるいは、社会・環境課題にきちんと対応しておかないと将来多額な対応コストが発生しうるリスク対応の活動という捉え方です。投資家は、企業が社会・環境問題を機会とリスクとして的確に捉え、これらの課題に取り組んでいく仕組みや意思があるかどうかを見ています。
従って、多くの場合、「守りのCSR」の中に、特に将来リスクとならないように取り組まなければならない活動が含まれており、「攻めのCSR」の中に、成長のための機会として取り組むべき活動が含まれています。しかし、場合によっては、「守りのCSR」の中に、成長機会があったり、「攻めのCSR」の中に、リスク対応が含まれることもあります。例えば、「男女共同参画」への取り組みは、一般的に「雇用・労働慣行」の取り組みであり「守りのCSR」の範疇に含まれますが、「女性の感性による価値創造力の向上」として積極的に取り組む企業には「成長機会」になります。つまり、機会とリスクは、企業ごとに、しかも業界や市場環境、時期によっても捉え方が異なるものです。
回答者:山崎 直実氏
一般社団法人 株主と会社と社会の和 代表理事。
IR/ESG/コーポレートガバナンス コンサルタント。
長年、消費財メーカーでコーポレートガバナンス、ディスクロージャー、株式実務を統括。機関投資家やSRI調査機関などと対話を重ね、ESGコミュニケーションを推進。2014年に独立し、女性を中心とした個人投資家にESG投資やエンゲージメントを促進するための一般社団法人を設立。
経産省「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクト委員。
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