主催者 :日本経済新聞社
関連URL :https://adnet.nikkei.co.jp/a/nira/index.html
目的
日本企業の発行する統合報告書の更なる充実と普及を目的として実施される表彰制度。
評価対象
表彰制度に参加する企業の統合報告書。審査は「統合報告書」PDFや掲載Webをベースに実施。
結果発表時期
第2回(2022年度)は、2023年3月上旬(予定)の日本経済新聞朝刊および日経ヴェリタスで結果報告。
審査員
資産運用会社のファンドマネジャー、アナリスト、学識経験者など。
歴史
1998年度から実施していた「日経アニュアルリポートアウォード」を、2021年に「日経統合報告書アワード」に改称。ES(環境・社会)賞、G(ガバナンス)賞、新人賞、パブリック賞(非上場団体)も新たに選出した。
評価のポイント
- 第1次審査:1社の統合報告書につき、5人の審査員が審査基準に沿って採点、コメント。
- 第2次審査:得点上位作品を対象とし、審査委員会でグランプリ、準グランプリ、E(環境)賞、 S(社会)賞、 G(ガバナンス)賞、優秀賞、新人賞、パブリック賞(非上場団体)を決定。
【一次審査基準のテーマ】
テーマ | 評価の視点 |
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①トップマネジメントのメッセージ | 1.メッセージに具体性と企業価値創造に取り組む熱意が感じられるか 2.自社の課題を冷静に把握しているか 3.トップとしての責任・役割についての言及があるか 4.メッセージが直近 1年の事業環境や経営状況を踏まえたものになっているか |
②企業価値創造を実現するための企業理念(パーパス・ミッション・カルチャー・バリュー・ビジョン)の記述 | 1.自社の事業の社会や従業員、環境などに対するパーパスは明確か 2.自社の事業が果たすべきミッション(責任)は明確であり、それについての具体的な行動が書かれているか 3.自社のカルチャーを認識し説明しているか、 経営者は自社のカルチャーを重んじた行動・施策をとっているか 4.自社の事業が生み出すバリューを明確に説明しているか、 その実績は証明されているか自社の将来に向けたビジョンは、実現可能で具体的であるか |
③自社固有のマテリアリティの抽出と時系列(短・中・長期)を意識した価値創造プロセスの提示 | 1.マテリアリティの抽出に時系列を意識しキメ細かく設定されているか 2.マテリアリティを抽出する過程についての社内での論議が開示されているか 3.事業自体の価値創造に関するマテリアリティが過不足なくリストアップされているか 4.サステナビリティ(ESG)項目についても事業価値創造との関係で過不足なくリストアップされていて妥当であるか |
④自社の経営資源(各種経営資本)の冷静な分析と中長期経営目標・戦略(ビジネスモデルの変革含む)に関する記述 | 1.自社の経営資源に対する現状の認識と限界についての記述があるか 2.事業ポートフォリオの厳格な管理を意図した目標設定(事業別ROICの設定など)がされているか 3.ビジネスモデルの変革につき市場環境を的確に捉えた構想が記述されているか 4.経営資源(各種経営資本)のうち「足らざる」資本に対する自覚があり、それを克服しようとする意志が窺える記述があるか |
⑤企業特性に合った重要な経営目標指標(ESG項目含む)の抽出とKPIの提示と成果の公表 | 1.重要な経営目標指標に過不足はないか 2.ESG項目においても価値関連性が意識されているか 3.各KPIは当該企業の経営状況からみて適切なものか 4.KPIについて短中長期の時間軸ごとにきめ細かく設定されているか 5.KPIを設定するだけでなく結果(output) および成果(outcome) も記述されているか |
⑥投資家の分析に必要十分な財務情報・財務関連情報が記述されているか (補足)ここで言う財務情報・財務関連情報とは決算短信・有価証券報告書等に記載されている情報以外に投資家が投資価値を算定するうえで必要な情報を意味する | 1.「地域別・部門別セグメント」に関して投資家が分析を行うのに有用な情報を提供しているか 2.主要品目別売上および主要原価・費用項目において投資家が分析を行う上で有用な情報を提供しているか 3.投資家が過去の業績を的確に評価するための有用な情報を工夫して提供しているか(長期にわたる主要品目の売上額・売上シェア・主要費用項目等を一覧にする) 4.投資家が将来業績予想を行う上でヒントとなる有用な情報を提供しているか(市場動向・技術動向等) |
⑦中期的業容の展開にあたり説得力のある資本配分政策・財務政策・事業ポートフォリオ管理の記述があるか | 1.中期経営計画におけるキャッシュフロー(CF)(=営業CF、投資CFおよび財務CF)のイメージを投資家が抱けるか 2.投資戦略についてのイメージが的確に掴めるか 3.資本構成・配当政策や自社株買等の株主還元ついての的確なメッセージが掴めるか 4.事業ポートフォリオ管理政策についての的確な記述があるか |
⑧ESGのうち「環境関連」情報の記述と企業価値関連性への言及 | 1.自社に即した環境課題の認識ができていてそれが中長期の企業価値へどのようなポジティブ・ネガティブな影響を具体的に与えると予想されるかが記述されている 2.その中で気候変動関連開示(いわゆるTCFD提言に基づく開示を中心として)については特記されて説明されているか 3.気候変動以外でも当該企業にとって重要と思われる「環境」問題、例えば「水資源」「生物多様性」「化学物質・汚染予防」に関して記述されているか 4.サプライチェーン全体のトレーサビリティについて、取り組みや考え方に関する十分な記述があるか |
⑨ESGのうち「社会関連」情報の記述と企業価値関連性への言及 | 1.自社に即した社会関連課題の認識ができていてそれが中長期の企業価値へどのようなポジティブ・ネガティブな影響を具体的に与えると予想されるかが記述されている 2.例えば「ダイバーシティ&インクルージョン」が進んでいるか、そのうえで企業価値への関連性が言及されているか 3.例えば「人的資本」の開示についての充実が進んでいるか、そのうえで企業価値への関連性が言及されているか 4.例えば「人権問題の把握」に関しての開示の充実が進んでいるか、そのうえで企業価値への関連性が言及されているか |
⑩ESGのうち 「コーポレートガバナンス・システム」の高度化が窺える記述があるか (補足)2021 年のコーポレートガバナンスコードの改訂も踏まえ取締役会のモニタリングボードとしての役割は十分に果たされていると感じる記述があるか | 1.取締役会議長による取締役会運営に関するメッセージ 2.取締役会の構成。 社外取締役に期待する役割について、 取締役のスキルマトリックスに関する有用な記述 3.指名委員会に(サクセッションプラン・CEO選任プロセス等)、報酬委員会(執行兼務取締役報酬額決定プロセス等)に関する十分な記述 4.取締役会評価に関する十分な記述 5.サステナビリティ活動に関するモニタリングに関する記述 |