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【国際】WMO、2023年の気温上昇確定値発表。産業革命からすでに1.45℃上昇

世界気象機関(WMO)は3月19日、「世界気候の現状2023」の確定版を発表。2023年は観測史上最も温暖な年となったと伝えた。世界の平均地表面温度は産業革命前の基準値から1.45℃上昇した。2100年1.5℃というパリ協定の目標達成まで残り0.05℃となった。

11月発表の暫定版では、10月末までのデータを基に、気温上昇は産業革命前から1.4℃としていたが、12月末までの状況ではさらに0.5℃上昇していた。不確かさのマージンは±0.12℃。

WMOより

WMOは今回、2023年には、熱波、洪水、干ばつ、山火事、急速に強まる熱帯低気圧が、何百万人もの日常生活を狂わせ、何十億米ドルもの経済的損失をもたらしたと報告。気象災害による避難民が引き続き増加しており、「気候ショックがいかにレジリエンスを損ない、最も脆弱な人々の間に新たな保護リスクを生み出しているかを示している」と言及した。

2023年の平均的な日には、世界の海洋のほぼ3分の1が海洋熱波に襲われ、重要な生態系と食料システムに被害を及ぼした。2023年末には、海洋の90%以上が熱波に見舞われた。世界で深刻な食糧不足に陥っている人々の数は、新型コロナウイルス・パンデミック以前の1億4,900万人から、2023年には3億3,300万人へと2倍以上に増加している。天候や気候の極端さは根本的な原因ではないかもしれないが、悪化要因となっていると報告されていると述べた。

一方、再生可能エネルギーの設備容量が2023年には前年から約50%増加し、合計510ギガワット(GW)となったことを「希望の光」と表現した。

【参照ページ】Climate change indicators reached record levels in 2023: WMO

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所[原文はこちら]

2024/3/21
Sustainable Japan