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キーワード解説

サステナビリティの領域で登場する主な用語を紹介します。

ガイドライン・イニシアティブ

GRIスタンダード

国際NGOのGRI(Global Reporting Initiative)が発行する持続可能性報告のための国際的なスタンダード。経済面、社会面及び環境面のトリプルボトムラインを骨格に、組織が報告すべき指標や報告にあたっての原則が定められている。
すべての組織(民間、公共、非営利)におけるあらゆる報告形式を対象としており、国内外の多くの企業がCSR/環境報告書を作成する上で参考にしている。

IFRSサステナビリティ開示基準(ISSB基準)

IFRS財団の国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)によって作成されるサステナビリティに関する開示基準。各国での制度化のベースとなることを目的にしており、日本ではSSBJという組織が中心となって有価証券報告書への反映を検討している。

ESRS(欧州サステナビリティ報告基準)

EUの企業サステナビリティ報告指令(CSRD)のもとで策定されるサステナビリティに関する開示基準。ダブルマテリアリティに基づいた比較可能で信頼性の高いサステナビリティ情報の開示を義務付けることを目的にしている。

SASBサステナビリティ会計基準

米国サステナビリティ会計基準審議会(Sustainability Accounting Standards Board、以下SASB)では、業界ごとに開示すべきKPIを定め「Sustainability Accounting Standard」として開示。
企業がサステナビリティ会計基準を導入する際に考慮すべき全体構成や要点についてまとめたガイド「SASB Implementation Guide for Companies」も公表している。

国際統合報告フレームワーク

統合報告書の全般的な内容を統括する指導原則及び内容要素を規定し、それらの基礎となる概念を説明することを目的として、フレームワークの利用、基礎概念、指導原則、内容要素から構成されている。
2013年12月に正式なフレームワークが発行され、2021年に初めての改訂版が発行された。

価値協創ガイダンス2.0

経済産業省が作成した、持続的な価値協創に向けた企業と投資家の対話促進のためのガイダンス。企業と投資家も対象としており、企業は統合報告書の作成時などに、当ガイダンスを参考にしている。

ビジネスと人権に関する指導原則(Guiding Principles on Business and Human Rights)

企業がCSRと人権の課題に取り組むための実践的ガイドライン。法的拘束力を持つものではないが、国連で承認された公式文書であり、すべての国と企業が尊重すべきグローバル基準となっている。
グローバル・コンパクト10原則の策定にも関わり、ISO26000やOECD多国籍企業行動指針の改訂にも影響を及ぼしたことで知られる、ハーバード大学のジョン・ラギー教授が特別代表としてまとめ、日本では「ラギー・レポート」の名でも知られている。

TCFDガイダンス

金融安定理事会に設置された気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が公表した、気候変動関連財務情報開示タスクフォースによる提言 (Implementing the Recommendations of the Task Force on Climate-related Financial Disclosures)のこと。 多くの企業がTCFDに賛同し、取り組みと情報開示を進めている。

環境報告ガイドライン

環境省が作成した環境報告のためのガイドライン。環境報告書等で環境報告を行う全ての事業者を対象としており、多くの日本企業がCSR/サステナビリティ報告書の作成にあたって当ガイドラインを参考にしている。
環境コミュニケーション大賞 は、当ガイドラインに沿って報告書が作成されていることが一つの評価基準となっている。

ISO 26000

あらゆる組織における社会的責任の基準を定め、その手引きを提供する国際規格であり、2010年11月1日に発行された。
社会的責任の7つの原則(説明責任、透明性、倫理的な行動、ステークホルダーの利害の尊重、法の支配の尊重、国際行動規範の尊重、人権の尊重)や社会的責任に関する7つの中核主題(組織統治、人権、労働慣行、環境、公正な事業慣行、消費者課題、コミュニティへの参画及びコミュニティの発展)を設定している。第三者認証を目的としないガイダンス規格であり、規制もしくは契約のために使用することを意図したものではない。

AA1000

アカウンタビリティ(説明責任)を果たすための枠組みを、組織が自ら設定し構築するための国際規格。CSR/環境報告書に何を記載しているかではなく、AA1000の原則に準拠し、適正なプロセスを経て情報開示を行ったかどうかが求められる。
日本企業でAA1000を参考にCSR/環境報告書を作成する企業はまだ少ないのが現状である。

その他のイニシアティブ・ツール

<海外>
●OECD多国籍企業行動指針
●WBCSD(持続可能な発展のための世界経済人会議)
●CSR Europe

<国内>
●日本経済団体連合会
企業行動憲章
●経済同友会
各種提言、調査

ESG評価機関

Dow Jones Sustainability Index (S&Pグローバル)

米国のダウジョーンズ社とスイスのSAM社(Sustainable Asset Management AG)が共同で開発した指標であり、世界各国の大手企業の中から、企業の社会的責任について、社会、環境、経済の分野で評価し、上位10%の企業を選定して組み入れた世界的な株価指標。Dow Jones Sustainability Index のアジア・パシフィック版として、「Dow Jones Sustainability Asia Pacific Index」(DJSI Asia Pacific)という指標もある。

MSCI ESG Indexes (MSCI)

モルガン・スタンレーとキャピタル・グループを株主として設立されたMSCIが算出するインデックス。国際的な株式投資のベンチマークとして利用されており、ESG関連の指数だけでも数百種類あるといわれている。MSCIは、甚大なコストが発生したり市場機会に影響したりする課題を産業ごとにキーイシューとして特定し、そのイシューにフォーカスしてESG格付けを決定する。

FTSE4Good Index Series

FTSE4Good Index Series は、国際的に認められたCR(corporate responsibility)の基準を満たす企業活動を評価し、そのような企業への投資を促進するために作成された指標である。FTSEはロンドン証券取引所が100%出資する独立企業であり、世界中の顧客に対してサービスを提供している。

Sustainalytics ESG Ratings(サステナリティクス)

サステナリティクスはオランダに本社を置くESGリサーチや評価を行う企業で、株価指数の名称ではない。同社の評価は総合的に「どの程度リスクにさらされているか」「どの程度リスクを管理できているか」「管理可能にもかかわらず管理できていないリスクはどの程度か」等を評価して「ESG Risk Rating」を算出しており、その評価結果はSTOXXやモーニングスターの株価指数作成に活用されている。

CDP(旧名称:Carbon Disclosure Project)

■CDP(旧名称:Carbon Disclosure Project)投資家の要請に基づいて、企業に気候変動対応や関連する情報の開示を求めるために設立された国際環境NPOのCDPが企業を評価するもの。気候変動から対象範囲が拡大し、水セキュリティや森林コモディティをテーマとする評価も行っている。企業だけでなく、都市の評価も実施している。

(GPIFが採用する)ESG指標

世界最大規模の資金の運用機関(ユニバーサルオーナー)であるGPIFは、100年程度の超長期スパンでの投資リターンを追求するため、市場全体の安定・発展がGPIFの安定・発展につながる。GPIFは個別企業を評価しないが、2017年度よりESG指数を選定し、2兆円規模でのESG評価に基づく運用を開始している。


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